ケフィア事業振興会
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 | 150-0012 東京都千代田区神田須田町2-25-16 ケフィアビル[1] |
設立 | 2009年9月7日[1] |
事業内容 | 通信販売業[2] 食料品、菓子類、清涼飲料水、果実飲料等の販売[2] 日用雑貨、服飾品、衣料品等の販売[2] 宝石・貴金属等の販売[2] |
代表者 | 破産管財人 内田実[3] |
資本金 | 4億円[1] |
売上高 | 1004億252万円(2016年8月1日-2017年7月31日)[1] |
営業利益 | 79億9387万2000円(2016年8月1日-2017年7月31日)[1] |
経常利益 | 2億9938万円(2016年8月1日-2017年7月31日)[1] |
純利益 | 1億5011万5000円(2016年8月1日-2017年7月31日)[1] |
関係する人物 | 旧代表者 代表取締役 鏑木秀彌[1] |
外部リンク | www |
ケフィア事業振興会(けふぃあじぎょうしんこうかい)は、食品などの通信販売を行っていた企業である。
概要[編集]
1992年に創業。ケフィアヨーグルトの種菌を販売し、「食・農・環境」をテーマとした通信販売のケフィアカルチャーを運営した。
晩年の主要事業としては、関連会社のかぶちゃん農園から市田柿など農水産加工品を仕入れて、これを一口5万円で買戻し付き売買契約を結ぶ「オーナー制度」やケフィアと金銭消費貸借契約を結ぶ「サポータ募集」などを行っていた。しかし、その実態は買戻し契約を利用した自転車操業を繰り返すようになっており、オーナーに柿が戻ってくることは稀であった。ケフィアが買い戻した柿はケフィアカルチャーで売られ、この資金もやはり自転車操業的に使われていたという。
それでも支払いが遅延することが増え、国民生活センターへの苦情も増えた。ケフィアは何とか会員の機嫌を取るため高額サービス(サーカス公演や海外旅行など)を繰り返した。2018年に入ってからは「システム障害」を理由とした支払い遅延策を講じたがこれも実らず、ついに2018年9月、東京地方裁判所に破産申請し、破産開始決定を受けた。
沿革[編集]
- 1992年 - ケフィアヨーグルトたね菌の販売で創業。
- 1998年 - ケフィア倶楽部 会員制での事業開始。
- 1999年 - 倶楽部会員の拡大に広告宣伝を実施。
- 2000年 - 宣伝広告による事業展開と規模拡大。メープルシロップ直輸入。
- 2003年 - 新聞全面広告で全国規模に展開。
- 2005年 - 株式会社ケフィア倶楽部として独立。
- 2010年 - 株式会社ケフィアカルチャーと株式会社ケフィア事業振興会が合併し、社名を「株式会社ケフィア事業振興会」とする。新社屋ケフィア・ビル竣工。このビルは会員5000人から借入を行って建てたもので、土地895ページ、建物1273ページにも及ぶ莫大な登記簿が存在する。
- 2017年7月期 - 売上高1004億252万円。この内訳は通販事業1割、オーナー制度や子会社の経営指導料9割という歪なものであった。
- 2018年6月15日 - 会員向け支払いが遅延していると報道された。
- 2018年7月5日 - 国民生活相談センターへの相談件数が急増していると報道された。
- 2018年7月10日 - 被害対策弁護団が発足する[4][5]。
- 2018年8月31日 - 消費者庁は『「オーナー制度」と称する取引に関し、多額の支払遅延を発生させている株式会社ケフィア事業振興会に関する注意喚起』を行った[6]。
- 2018年9月3日 - ケフィア事業振興会、かぶちゃん九州、かぶちゃんメガソーラーなど4社が東京地方裁判所に破産申請し、破産開始決定を受けた。申立時債権者数は3万3,747名、負債総額1,053億3,706万円。、2018年6月末時点の資産簿価は484億448万円、現預金は5,477万円とされている[7]。
- 2018年9月18日 - ケフィアグループの破産は16社になったと報道された。
- 2019年2月6日 - 警視庁は出資法違反の疑いでケフィア事業振興会の本社に家宅捜索を行う[8]。
基本事項[編集]
- 名称:(株)ケフィア事業振興会
- 本社所在地:東京都千代⽥区神⽥須⽥町2-25-16 ケフィア・ビル
- 代表者:破産管財人 内田実弁護士 (旧)鏑⽊秀彌
- 業種:無店舗⼩売業(飲⾷料品⼩売)
- 売上高:39億5922万円(2017年)
- 資本金:40,000万円(2017年4月1日現在)
- 従業員数:48名
オーナー制度[編集]
オーナー制度とは、「買戻特約付売買契約」により、一見すると柿の売買契約に見えるが、半年後に柿が届くわけではない。買戻特約によって半年後の満期時に売値より10%程度高く買い戻して、元本とともに利息相当の額をオーナーに戻す契約である。実体は市田柿の売買ではなく、年利20%で半年満期の金融商品に投資していることになる。年利20%で利益の出る事業なら継続可能であろうが、実際には太陽光発電(太陽光発電所の太陽光パネルオーナー)、地熱発電、バイオマス発電、スリランカやベトナムの海外投資などで失敗案件も多かったとされている。最後は自転車操業となり、経営破たんに至った。
当初は、2000年3月の「ケフィアグループ社債共同購入会」(ファンド)投資勧誘を行っていたが、2007年9月の金融商品取引法の改正により、第二種金融商品取引業と投資運用業の登録というハードルのある規制がかかったため、ファンド投資はできなくなった。そこで「買戻特約付売買契約」のスキームを編み出し、表面上は農産品売買であるかのように偽装したため、1000億円以上の資金を集めることが可能となった。
脚注・参考文献[編集]
- ↑ a b c d e f g h i “会社概要”. 株式会社ケフィア事業振興会. 2018年9月1日確認。
- ↑ a b c d “業務内容”. 株式会社ケフィア事業振興会. 2018年9月1日確認。
- ↑ TSR速報 ケフィア事業振興会ほか3社東京商工リサーチ 2018年9月3日(同日閲覧)
- ↑ ケフィアグループ被害対策弁護団
- ↑ ケフィア事業振興会の被害者弁護団が結成
- ↑ 「オーナー制度」と称する取引に関し、多額の支払遅延を発生させている株式会社ケフィア事業振興会に関する注意喚起消費者庁、 2018年8月31日
- ↑ 株式会社ケフィア事業振興会など4社帝国データバンク、2018年9月3日
- ↑ 通信販売「ケフィア」を家宅捜索産経新聞、2019年2月6日