オオヨドシマドジョウ

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オオヨドシマドジョウとは、ヤマトシマドジョウ種群に属するドジョウ科の淡水魚である。

形状[編集]

体長は7-9cm。

オスの腹鰭にある骨質盤は長方形。

形状上での差は骨質盤のみであり、メスの個体を本種かどうか同定するのは困難である。

生態[編集]

宮城県大淀川水域のみで確認されている。ヤマトシマと生息地が重なる。

分類[編集]

かつてはヤマトシマドジョウと混同され、同種であるとされていた。

中島淳が2009年7月に採取したヤマトシマの骨質版が長方形である事に気づいた。

遺伝子解析の結果からも他所のヤマトシマとは異なっていると分かり、日本魚類学会が発行する学術誌「魚類学雑誌」内で報告された[1]

2015年中島淳により新種記載された。

種小名は、天の逆鉾に由来し、骨質版の形状からそう命名された。

人間との関係[編集]

2018年の調査では、100匹見つかったが、3年後の2021年に行われた調査においては5匹しか発見できなかった[2]

外来種のコウライオヤニラミによる捕食や環境の変化によって数を減らしている[3]

出典[編集]

  1. 中島淳、中村朋史、洲澤譲「宮崎県大淀川水系から得られた特異なシマドジョウ属」、『魚類学雑誌』第58巻、2011年、 153–160。
  2. “宮崎 オオヨドシマドジョウを守れ”. NHK. (2023年5月8日. https://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/20240508/5060018080.htm 2023年1月18日閲覧。 
  3. 日比野友亮、緒方悠輝也、松尾 怜、大衛亮正、小原直人、栗原 巧、斎木悠亮「大淀川水系におけるコウライオヤニラミの分布拡大と推測される在来魚類に与える影響」、『Ichthy, Natural History of Fishes of Japan』第16巻、 18-24頁、 doi:10.34583/ichthy.16.0_18