エクソシズム
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エクソシズムとは「悪霊追い出し」を意味するローマカトリックの用語である。エクソシズムを行う聖職者のことをエクソシストという。
エクソシズムの歴史[編集]
- 紀元前千年頃ダビデが、悪霊に取り付かれたサウル王に竪琴を聴かせて落ち着かせる音楽療法のようなことを行ったが、サウルは一時的に落ち着いただけで、完全には良くならなかったようである。サムエル記第一16章
- 新約聖書を読むと、イエス・キリストや弟子たちがエクソシズムを行っていたことが書かれている。最初に本格的なエクソシズムを行ったのはイエス・キリストなのである。
- 初期のキリスト教ではエクソシズムが普通に行われていた。
- 中世になるとそれが廃れ、エクソシズムを行う代わりに、悪霊に取り付かれた人は魔女裁判で火炙りにされていたようてある。
- 初期のプロテスタント教会が悪霊追い出しを行っていたという話も聞いたことがない。意図的に記録を残さなかった可能性もあるが、初期のプロテスタント教会での悪霊に取り付かれた人への対応は、中世のカトリック教会と大差のないものだったのかも知れない。現在では、一部のプロテスタント教会が悪霊追い出しを行っている。
- 近年では医学の発展とは逆に悪霊追い出しを求める者がイタリアでは増えている。
良くある誤解[編集]
キリスト教で「悪霊」とは堕天使のことである。悪魔とは堕天使の王のことである。
エクソシズムに関する映画の字幕や吹き替えでは、悪霊と悪魔を一緒にしてしまう傾向がある。
悪霊追い出しのときにはプロテスタントのように「イエスの名によって出ていけ」と命じるのが本来のやり方だが、カトリックでは聖母マリアや聖人や天使の名によって、あるいは小道具を使って悪霊を追い出そうとする傾向がある。このためカトリックの悪霊追い出しは、プロテスタントの何倍も手こずることになる。
悪霊が取り付く原因を、プロテスタントは、本人や家族による偶像礼拝や占いなどの霊的な罪に限定して考える傾向があるが、カトリックのエクソシストは「誰かに呪いを掛けられて取り付かれるケースが多い」と主張している。プロテスタントはそのようなケースがあることも視野に入れるべきであろう。
キリスト教以外[編集]
稀に、カルト教祖や祈祷師の中にも悪霊追い出しをする者がいる。それらは比較的強い悪霊の力を借りて、問題を起こしている比較的弱い悪霊を追い出したり、大人しくさせたりしているに過ぎない。そうすることで、彼らは迷信を広めているのである。