ご飯論法
ご飯論法(ごはんろんぽう)とは、質問されたことにまともに答えない回答法である[1]。意図的な「論点ずらし」や「はぐらかし」が含まれる。「新語大賞2018次点」および「新語・流行語大賞トップテン」を受賞した。
経緯[編集]
発端は、法政大学の上西充子教授による2018年5月6日のツイートが始まりである[2]。
事例として、朝ごはんを食べたかの質問に、米飯は食べていないので、食べていないと回答する例が挙げられている。実際は米飯の代わりにパンを朝食に食べていた。朝ごはんを米穀と狭く解釈するか、朝食と広く解釈するかの違いを利用した「はぐらかし」である。
上西によると、ご飯論法は次の4つの手法がある[3]。
- 論点のすり替え
- はぐらかし
- 個別の事案にはお答えできない
- 話を勝手に大きくして、回答拒否
上西の2018年12月3日、「ご飯論法」 受賞スピーチでは、「名付けて退治」のために広めたと語る[4]。
上西によれば、「ご飯論法」の定義は『意図的な「論点ずらし」や「はぐらかし」などの不誠実な国会答弁の手法とする。厚生労働大臣の答弁を、上西が「ごはん」→「ご飯」の論点ずらしにたとえてツイートし、ヤフーの記事で広めたところ、紙屋高雪氏が「ご飯論法」の言葉と共に紹介。上西が「#」をつけて拡散した』と言及している[5]。
「大辞泉が選ぶ新語大賞2018」では「ご飯論法」は次点となった[6]。
ご飯論法の普及度[編集]
以下の説明には個人的見解とJokeが多分に含まれていますので、ご留意ください。
肯定的見解 [編集]
上西教授は、国会答弁に限定して定義しているが、現在では国会だけでなく、知的水準の高い層ではよく使われている語である。 「知らない」という見解は、社会的関心や知的水準の低さを表している。日本人は、ディスカッションのトレーニングができていないことから、知的水準の高くない層では「論法」に対する関心は低いため、今後、定着していくかは未知数である。
否定的見解[編集]
……はずなのだが、実際のところ、流行語大賞名物の反安倍ワード不足のために流行語大賞にノミネートされた言葉であり、ノミネートから数日間は「なに」「知らない」などの意見が飛び交っていた。それも落ち着いた今、はやくも流行語としての賞味期限が切れてしまった疑いが持たれている。
参考文献[編集]
- ↑ 「#ご飯論法」で否定してみせた大臣はYahoo News、2018年5月20日
- ↑ 「ご飯論法」西日本新聞、2018年5月31日2018年12月12日閲覧
- ↑ 上西充子 - Twitter
- ↑ 新語・流行語大賞 トップテン 「ご飯論法」 受賞スピーチ
- ↑ 「朝ごはんは食べたか」→「ご飯は食べてません(パンは食べたけど)」のような、加藤厚労大臣のかわし方Yahoo News、上西充子、2018年5月7日、2018年12月12日閲覧
- ↑ 第3回大辞泉が選ぶ新語大賞大辞泉