かりんとう車
かりんとう車(かりんとうぐるま)[1]とは、お笑いトリオ「トンツカタン」のメンバー・お抹茶が披露するピンネタである。
概要[編集]
段ボールで作られた茶色い車の書き割りのなかにお抹茶が座り、かりんとうで出来た車について延々と説明する、という歌一本で通した馬鹿馬鹿しいネタである。かりんとうの老舗が一か八かで作った車であり、雨が降ったらふやけて終わりだから元からワイパーがついていない。また、こだわりの無添加があだとなり、アリに食われても終わりである。ドライバーは甘い香りを嗅ぎすぎてしょっぱいものが食べたくなってくるため、ボトルガムの容器に味噌を入れてる。
ナンバープレートは「か 2678」。これは、後述の『R-1グランプリ』におけるエントリーナンバーに由来する。
原曲[編集]
マニーラ氏作曲のフリーBGM『天水のユーロビート』に歌詞をつけたものである。原曲よりもキーが1つ高くなっている。
作曲者いわく、雨とドライブをイメージした作品だそうで、ネタの展開にピッタリ合っている。
この曲を公開しているWebサイト「DOVA-SYNDROME」では、次のとおり利用規約を定めている。
禁止事項
次に該当する用途・方法における音源の利用を禁じます。
音源の加工(サンプリング等)、アレンジ、リマスター、リミックス、歌を乗せる等を行い、音源を使用した「音楽的二次著作物」を作成すること — 音源利用ライセンス
『R-1グランプリ2024』の放送直後、利用規約に違反していることが明らかとなった。それまで誰も気づかなかったのか....
弁護士資格をもっており、自らもR-1ファイナリストの経験があるピン芸人・こたけ正義感は「著作権法で考えると、BGMについては何ら改変を加えていないので[2]同一性保持権を侵害するものではない」「著作権法上は違法ではない」「僕もああいう規約があるっていうことにビックリしました」「見落としちゃうのは仕方ない」と同情的な姿勢を示している。[3]
一時は「幻のネタ」になるかと危ぶまれたが、マニーラ氏がネタ専用の楽曲を作り直して提供するという形で円満解決した。[4]「かりんとうの新車」が聴けると知って、ネット上のファンたちは一気に沸き立った(お抹茶だけに)。
3月24日、東京・西新宿ナルゲキで行われたイベント「トンツカタンお抹茶の『かりんとうの新車発表会』」で新曲が披露された。本人のYouTubeチャンネルにも動画が上がっている。人によっては原曲と何が違うのか分からないほどのマイナーチェンジであるが、歌詞の文字数に合わせて音数を変えるといった細かなアップデートが施されている。(以前と比べて、雷雨の効果音がやたらと入っており元々聴き取りづらいネタがますます聴きづらくなっているのだが、これは「楽曲自体のアレンジ」なのか「ネタを披露する時に効果音を足しているだけという扱い」なのかは不明である。)
R-1グランプリ2024[編集]
2024年3月9日の『R-1グランプリ』決勝戦でも披露された。出順は9人中8番目。
準決勝は1位通過だったが[5]、決勝戦では9位(最下位)に終わった。まさに「一か八か」である。
他の出演者たちはテレビ局の美術スタッフが用意したであろう小綺麗な小道具を使っているなか、お抹茶だけは自作の段ボールセットを用いており、良くも悪くもチープ感が際立っていた。審査員のハリウッドザコシショウは「どうせアレでしょ、風呂で考えたんやろ」「家でやれっていうようなネタじゃないすか。でも潔いんですよね」、小籔千豊は「たしかにワロタ。ワロタけどこれ何なん?」、陣内智則は「設定はめちゃくちゃ面白かった」「出オチで最初が一番おもしろかった」と評している。
また、準決勝の審査員・なだぎ武は「準決勝で見た時一番ハマった」と明かしている。雨のせいで廃車となるラストシーンについては「あれでよかった」「笑いと哀愁って表裏一体、哀愁があるからこそ笑える」と評している。[6]
放送直後はTVerで普通に配信されていたが、前述の利用規約違反が明らかとなったため、数日後には丸々カット編集された動画に差し替えられた。ネット上では「M-1運営なら事前チェックできたかもしれないが、R-1運営にそんなことを期待するのは無理」「お抹茶、つかまっちゃえ~」などの反応が見られた。
ちなみに、『R-1 2024』は生放送の終了直後に『ENGEIグランドスラム』の生放送が始まるというコラボ番組の形式をとっていた。『ENGEIグランドスラム』に出演したヤーレンズは、ケーキ屋さんの漫才のなかで「かりんとうの車」をワンフレーズ歌うアドリブを入れた。(が、特に笑いにはつながっていなかった。)
また、前年の『M-1グランプリ2023』では令和ロマンが「自動車を作ろうとするクッキー工場」という、ある意味で似た方向性の漫才を披露して優勝しており、対比させた感想も多い。
ネタ誕生の経緯[編集]
お抹茶は元々かりんとうが好きであり、ある日「もしかしてこれ車だったら素敵なんじゃないかな」と思いついたそうである。どういうこと?
お抹茶は他にも車関連のネタを持っている。車を買えるドライブスルーのネタ(お抹茶軍団の持ちネタ)、しゃぶしゃぶを食べられるドライブスルーのネタ(トンツカタンのトリオとしての持ちネタ)と合わせて「お抹茶の車三部作」であるとか。[7]
余談 [編集]
余談だが、柿の種の車はこの世に実在している。
出典[編集]
- ↑ 曲中には何度も「かりんとうの車」というフレーズが登場しており、ネット上でも「かりんとうの車」と認識している人が多い。しかし、所属事務所の声明文や 本人YouTubeチャンネルのネタ動画(現在は削除済み)などを見るに、どうやら「かりんとう車」が正式なタイトルのようである。
- ↑ 曲のキーが変わっていることを認識していないと思われる。
- ↑ R-1のネタ全組リーガルチェックしてみた【ガチチェック有り】(YouTube)35:15~ 地点
- ↑ お抹茶のポスト
- ↑ MCをつとめた霜降り明星・粗品は「全員同点が繰り返した時に、しゃあなしに出す準決勝の順位ボードみたいな、MC卓の下にあってんけど、お抹茶1位やってん」と語っている。このYouTube動画の 26:55~ 地点。
- ↑ R-1グランプリ2024感想 - なだぎちゃんねる(YouTube) 13:20~
- ↑ 【最速R-1優勝パーティー】トンツカタンお抹茶!4日前に開催! - さまぁ〜ずチャンネル(YouTube) 8:55~10:00地点
関連項目[編集]
- レトロニム : ある概念の誕生をきっかけに、それ以前から存在していた概念を区別するための言葉。「かりんとうじゃない車」もレトロニムの一種といえる。