Eclipse (統合開発環境)
Eclipse(エクリプス)とは、IBM によるJavaの開発に適合した統合開発環境(IDE)のひとつである。
Eclipseはもともと IBM社が OS/2 上の C/C++ 用の統合開発環境であり、「VisualAge C/C++」として開発したものである。その後、サンマイクロシステムズが開発したJava が普及したためJavaに対応するようになって、広くJava用の開発環境として知られるようになった。
ただし、パソコン業界においては「IBM」はビッグ・ブルーとして知られる大手であるためイメージが悪かったうえ、「Eclipse」には「日蝕」(本義は「掩蔽」「覆い隠す」。月蝕は"eclipse of the moon")という意味があるため「『Sun を覆い隠す』という意図があるのではないか?」と思われたらしい。
後に IBM は Eclipse の管理部門を独立化させた。その後、Oracle社が収益低下などを理由に、Java EE 8を最後にJava EEを手放すことになった。Java EE 9に相当するものは、オープンソースプロジェクトを運営するEclipse財団にJakarta EEとして引き継がれている。
概要[編集]
Eclipse本体は当初は C/C++ で記述されていたと考えられるが、それを Java 環境に移植し、現在では主にJavaで書かれている。また、GUIは標準の機能[1]ではなく、Standard Widget Toolkit(SWT)という軽量GUIツールキットを利用している。
2000年代前半には、Java IDEのデファクトスタンダードとなった。
しかし2010年前後頃には、JetBrains社のIntelliJ IDEAや旧サンマイクロシステムズ謹製のNetBeansの台頭により、Eclipseは劣勢になった。それでも、日本語版ではPleaiades All In Oneというディストリビューションの普及により、商業的にはともかくも[2]、デファクト・スタンダードとしての地位は保っている模様。とりあえずファイルを新規に作ってソースをコピペすればたいてい動く。ただし面倒見がよすぎて、ちょっと昔のコードだと警告が出まくりで真っ赤っかになるが、最新のスタイルの勉強だと思えばそれほど腹は立たない。
また、EclipseベースのIDEが多数作られており、有名どころではSpring Tool Suite(STS)が提供されている。
NTT データシスネムは「テラソルナ」という Eclipse もどきの IDE を社内で使っていた時期がある。「テラ(地球)・ソル(太陽)・ルナ(月)」から命名された模様である。