ATRI -My Dear Moments-
|
ATRI -My Dear Momentsは、フロントウイングより発売されているWindows用ゲームソフトである。フロトウイングからの発売される新作品としては前作ISLAND発売以降約3年ぶりとなる。2020年6月19日に発売。キャッチコピーは「沈みゆく世界で君を見つけた」2020年10月28日にゲーム本編ディスクを同梱したサウンドトラックが発売予定[1]。
2020年6月19日にWindows用ダウンロード版として発売され、同年10月28日にゲーム本編ディスク同梱版のサウンドトラックが発売[2]。2021年6月19日に『徒花異譚』との合算で10万ダウンロードを突破した[3]。
2021年12月16日にはNintendo Switch/Android/iOS版がiMelより発売。[4]。
2022年9月24日にはアニメ化が発表。[5]
2023年3月26日、AnimeJapan2023 ANIPLEXステージ内でのイベントで公式に2024年に放送が発表されアトリと夏生のティザービジュアルが一般公開され[6]その同日中にきわめて公式にアニプレックスから2024年の放送が発表された[7]
2024年6月中旬からテレビアニメが放送されている。
ストーリー[編集]
幼い頃事故により片足を失った少年、斑鳩夏生は都市での暮らしを諦め海辺の田舎町へと移住する。家族のいない彼に残されたのは海洋地質学者だった祖母の船と潜水艇そして大量の借金。夏生は無くした未来を取り戻すべく謎の借金取り「キャサリン」とともに祖母の遺産が隠させれていると思われる海底の倉庫を目指し旅に出る。
序章・サルベージ[編集]
- 夏生はエリートだけが集うアカデミーの学校をやめ、祖母が残した遺産を海底の底からサルベージするために幼い頃に過ごした島の街に帰郷して借金取りの女性・キャサリンと潜水艇サーペントアルバス号で海底を探査する日々を過ごしていた。夏生は幼い頃に落盤事故により自身の片足と母親を失った過去を持っている。その影響か自身の人生そのものに悲観的な考え方をもっていた。
- その日、夏生は島の学校への初の登校日であった。しかし、海底の調査があるため登校をするつもりは全くなかった。そうとは知らず彼を学校まで道案内をするために幼馴染の菜萌が訪ねてきた。夏生は海底調査を優先すると言い登校を拒否し船を出す準備を始める。心配に思った菜萌は彼らに同行し海底調査の手助けをする。
- 夏生はかつての自分が住んでいた祖母の家に遺産があることを予想していた。家は数年前に海の水位があがり海底の中に沈んでしまっている。サーペントアルバス号で祖母の家まで進み中を捜索し始めた。そして、海底の中で見慣れた風景が見え始め、祖母の家を発見した夏生は、家の中を捜索しする。家の中の倉庫を探し始めた夏生は大きなカプセルのような機械を発見した。
- 中を見るとそのカプセルの中に少女が眠っていた。少女は夏生の顔を見ると笑顔を見せ、それと同時にカプセルが外れ中に海水が入っていく。あわてた夏生はサーペントアルバス号の回収機で彼女をつかみ無線で引き上げるように命令する。少女を助けるために夏生は回収機めがけて一目散に走りだすが、義足が外れそのまま海に転落してしまう。少女は夏生を目指し海に勢いよく飛び込み、夏生めがけて海底に潜り込んでいき夏生を抱え、口移しで空気をあたえ何とかしのごうとする。菜萌とキャサリンは船についていたクレーンで二人を助け、救助された。
- 何とか生還した夏生だが、少女があれだけ海底の中をなんの装備もなく長い時間過ごすことは無理だと感じ彼女に「ロボットなのか?」と問う。そして、彼女は「自分はヒューマノイド」だと答えた。どうやら夏生の祖母が残した遺産とはこのロボットのヒューマノイドの事だったようである。夏生は彼女に名前を聞くと笑顔を見せ「アトリ」だと答える。夏生はアトリの笑顔を見るとなぜか懐かしい気持ちがした。
アトリとの出会い編[編集]
キャサリンはこれで借金がチャラになりおまけにおつりがくると大はしゃぎしていた。アトリはそんなキャサリンに自分はマスターの所有物なため勝手に売買するのは違法だという。彼女のマスターは夏生の祖母の八千草博士であった。夏生は自身の祖母であるの八千草博士は1か月前に病気で亡くなったことを告げる。海面上昇で街が沈んだのは3年前。アトリが眠っていたのは少なくとも3年間だということが判明しアトリは何となくだが自分の現在の境遇に理解する。アトリはマスターが亡くなったことに戸惑い合拳するとあまりにも軽すぎる表情に一行は騒然とする。
その後、菜萌はすごくアトリのことが気になるようだが学校に行かないといけないため島に戻ってきた早々にその場を離れることとなった。そして3人はその後ジャンク屋に足を運び店員にアトリを売れないか交渉するが夏生は彼女を売ることにあまり乗り気では無く否定的であった。ジャンク屋の店員はうちでは到底だせるような金額ではないためかなり時間がかかると言われる。そしてジャンク屋からアトリにマスターは誰なのかと聞かれるとアトリは夏生だといわれ夏生はびっくりする。正確に言うと夏生は祖母からマスターの権限を譲り受ける形になったということだが夏生はアトリと出会ったばかりで実感も何もなかった。
ヒューマノイドはマスターの許可なく売買することは違法なため本土に売りに行くときは同行するようにいわれキャサリンから持ち逃げされるのは困るため自分も同行すると言われる。直後にアトリから自分を売るのは45日間だけ待ってほしいと言われ一行は困惑する。ロボットが人に口答えや要求をすることはめったにないためこれはビックリである。アトリが眠りにつく前、先代のマスターから命令を受けその命令を果たさなければならないという。その後、素足の状態のアトリを見た夏生はいろいろと不便だろうと思い近くの店で彼女が気に入った靴をプレゼントする形で購入する。夏生はアトリは自分が引き取るとキャサリンに言うがそれをかたくなに拒みアトリを連れて行ってしまう。自宅の船に戻ってきた夏生は後悔した、なんであの時無理やりにでもアトリを引き取らなかったのかと。彼女の笑顔が脳裏から離れなかった。祖母の遺産をサルベージして売るそうすることで自分の新たな未来をつかみ取ろうとしていた。しかしアトリの笑顔を見たことで心が揺れ動いていた。二人は別れ際にある会話をしていた。アトリは夏生には足が必要なのかと聞くと約束の日まで自分が夏生の足になると言い夏生に笑顔を見せた。夏生はどうしても彼女の笑顔が忘れられなかった。そして夏生は自宅から出てアトリを探し出す。
キャサリンの宿泊先がわからないためどこにいるのかわからない。小さな町なため泊まれる場所は限られてるためすぐに見つけることは可能なはずである。夏生はいろいろと悩んでいたアトリを引き取ってその後どうするのかそれで罪悪感をやわらげどうするのかと?45日後には結局彼女売るのかと。
夏生は市街地に出ようとしたが満潮時のため途中で道を進めなくなってしまう彼は片足が義足なため少しの波でも脅威なのである。前にも後ろにも進めずにうろたえていると水菜萌が丁度通りかかり声をかけてくる。水菜萌の後ろに隠れるようにアトリも一緒にいた。水菜萌は母親から頼まれた買い物をするため街中を歩き回っていたら迷子になっていたアトリを見つけここまで連れてきたという。よく見ると買ってあげたばかりの靴が泥だらけになっていた。アトリは連れてきてくれたことに礼を言うとお辞儀をする。アトリは夏生のシャツの裾をつかみ笑顔を見せた。水菜萌は明日は学校に必ず来るようにと言い手をふりながらその場を後にする。夏生はアトリに自分はアトリを売るつもりはないと言うがアトリは45日間だけ猶予をくれればそれでいいと言いそのあとは自分を売って新しい義足を買うように言い半場説得するような態度をとる。夏生はそれを拒み否定する。結局このやり取りはうやむやに終わってしまうがアトリはこの45日間は夏生の足としてサポートすると言い彼に笑みを見せた。
その後アトリは夏生の生活のサポートをするためいろいろと奮闘するが家事はおろか料理も変則的なダメっぷりを見せつける。夏生はそんなアトリを決して責めずにむしろ心のよりどころにさえなりつつあった。夏生は幼い頃に起きた事故の影響で心的な痛みを伴うファントムペインを後遺症にもち長年苦しめられてきた。アトリとの生活が始まって数日、夏生は就寝中ファントムペインの痛みで苦しみ寝ている間に気づかないまま隣で寝ていたアトリを抱きしめていた。するとまるで今までその痛みが無かったかのように痛みが和らいでいく。アトリはそんな夏生の行為を受け止めるように抱きしめる。目が覚めた夏生はいつの間にかアトリを抱きしめていたことを気づき混乱する。夏生はアトリのその感触になぜか懐かしさを感じた。その懐かしさに不意に涙がこぼれていく。事故で母を亡くし未来をなくしそして心に傷を負った夏生にとってアトリが自分に向けてくれたその優しさと愛情は何よりも嬉しかった。アトリは夏生の足になると言い今つけているその義足よりも高性能だと言い微笑む。夏生は彼女を抱きしめその優しさを力いっぱい感じる。夏生はこのまま寝かせてくれと言い、アトリは再び笑顔を見せ「言いですよという」夏生はその笑顔を見て傷ついた心が癒されていく感覚がした。その時夏生は思った自分が本当に欲しかったのは高価な義足や失った足ではなく今心から感じている平穏な時間とこの穏やかな夜の時間であった。すごく嬉しかったそしてすごく安心した。まとわりついた不安や恐怖や苦しみが消えていく。そして夏生は彼女の胸の中で心地の良い眠りについていく。
次の日朝。夏生はアトリと共に生きていく事を決心する。この決意の先に決して道はなくとも決まっている未来よりよっぽどマシだと思った。彼の人生に再び光がさした瞬間であった。穏やかな滅びの未来に向けて歩いていた彼が別の未来に向けて歩き始めた瞬間、人生が大きく動き始めた。
転校編 前半[編集]
アトリと生きていく事を決心した夏生だが途方に暮れていた。彼にはあてにできる身寄りが誰もいなく前途多難である。このままでは祖母の謝金は返済できず生活はこんなをきわめる。そこで夏生は自宅として使っている船と潜水艇を売ればどうかと考えるが潜水艇はいいが船が無くなったら生活する場所が無くなると気づきだめだと早々に気づく。そんな彼の悩みなど全く知る由もないアトリは彼の隣でのほほんと歯を磨いていた。アトリを売らずに彼女と生きる決心をした以上どうにかしなければならない生活が困窮する借金もあり当面の生活もどうすればいいのか考えなければならない。アトリは45日間の猶予さえくれればそれで構わないといいそのあとは自分を売っても構わないというが夏生は売る気はないと言い、言い争いの喧嘩に。口げんかの末に結局この話はうゆむやになる。結局いろいろ考えた結果、水菜萌に相談することにした。というよりこの町で夏生の知り合いは彼女しかいないのである。前日に学校に来いと言われていたが夏生は気が乗らなかった。そんな気が乗らない夏生の気をよそにアトリから学校に行こうといわれせがまれる。夏生はその提案をかたくなに否定する。アトリはいつものように笑顔を見せ自分は学校で勉強をしてみたいといい夏生にせがむ。さらに自分の記憶の一部の断片が学校に関係するかもしれないという。どうやらアトリは祖母のいえの倉庫で眠りに付く以前の記憶のほとんどを失ってしまったようである自分は昔、学校に行ってみたいと願っていたかもしれないという。アトリは夏生の腕を引っ張りせがむがそれでも夏生の答えはNO。夏生は依然通っていたアカデミーで高校で習うべきものはすべて学習し終えているといい行くだけ無駄だと言いいまさら学ぶことはないという。アトリはなら自分にただついてきてくれればいいと言うと無理やり外に連れ出す。
めんどくさくなった夏生は仕方なくアトリの言われるがままに外に出る。うだうだ言い争っているうちにいつのまにか学校についてしまった。ちょうどいいので水菜萌に会いにいこうとする。しかしその学校は半分が水につかり一部が水没しかかっている。校舎にはツタがはえてまるで廃墟だ。その学校内では竜司や凛々花といった生徒たちが集いそして共に授業を受けていた。
夏生は彼らと出会ったことでその人生に大きな光を灯すこととなる。
転校編 後半[編集]
アトリの要望に応える形で学校に来た夏生は、竜司や凛々花たちと出会う。彼ら、彼女らもまた、海面上昇で何かを失っていた子供たちであった。学校は生徒数が減り、教師も不在。水菜萌が教師役を買って出て活動していた。このままでは廃校になるのも時間の問題である。 夏生は学校に正式に転校する形で在籍することとなり、アトリも何故か学校に転校する形で編入されることとなった。アカデミーという優秀な人間が集う学校へ通っていた夏生は、子供たちへ勉強を教えることになる。生徒たちが勉強を続けている中、「大学に行かない者には勉強なんて意味がないのでは」という疑問に至る。そんなことはないと証明するために夏生達が取った行動は、自分たちで電気を作る、発電の実験をすることだった。そして水菜萌や竜司、凛々花たちを中心に夕暮れと共に学校内の一部が水没しかかる部分を使い潮汐発電機の開発を開始するのであった。
潮汐発電機編[編集]
物語の舞台[編集]
- 港町
- 夏生やアトリ、そして彼らのクラスメイトや仲間たちが暮らす集落。元々は本土と繋がっていた一つの町であったが、海の浸食により海底の水位が少しずつ上昇した結果、物語の開始時には本土とは完全に断絶された一つの島となってしまっている。行政などの組織は存在すらなく全く機能していない。発電施設などは海底の水位が上昇したことで機能不全を起こし動かなくなってしまったため現在島全体のインフラはストップしており夜は真っ暗な状態である。
- 学校
- 夏生とアトリが通う学校、海底の水位が上がったため校舎の一部は海に浸かっている。海底の水位が上がり多くの人が街を見限った結果、学校の教師も辞めて離れてしまったため高等部の水菜萌が教師代行を務めめていたが後にキャサリンが転職して専属の教師として編入。真っ当な学校に立て直し中盤では総勢30人以上が通うほど持ち直した。ただ、街には行政がないため生徒のほとんどが押しかけで来ており、正式な手続きで来たのはおそらく夏生だけである。
登場人物[編集]
主人公とヒロイン[編集]
- アトリ
夏生が海底から引き揚げたロボットの少女、本作のヒロイン。見た目は普通の人間と変わらない。表情は豊かで夏生の祖母が生存していたころは彼女の助手を務めていた。夏生とキャサリンに海中からサルベージされた後、3年ぶりに再起動され、先代のマスターの夏生の祖母からから譲り受ける形で夏生がマスターとなった[8]。それ以降彼の生活のサポートを全般を引き受けるようになっるがかなり雑である。物語の初期段階では生活家事全般は最悪なダメっぷりを見せるが物語が進むにつれ食事関係全般は普通にこなせるレベルに上達する。学校での成績はトップクラスでありアカデミー出身者の夏生と同レベルかそれ以上の知識と知能をもっていると思われる。
- 前半
島に唯一残る学校に夏生と共に転校する形でクラスに編入[9]し、以後一緒に登校するようになる。
そして二人で生活し学校に登校し共に過ごすうちに思想愛のような形で愛し合うようになり夏生から告白を受け彼の気持ちにこたえる形で恋人として彼を支えていくそして「約束の45日」が過ぎても絶対にその手を放さず幸せにすると夏生からいわれずっと一緒に生きていく事を彼と約束する。しかしそんな純粋な性格をもったように見える彼女だが実はいうと彼女はもともと人格などは設定されていなく今まで彼女がふるまってきた態度は夏生が望む形に振る舞うように設定されていたプログラムであった[10]。夏生がうっかり彼女が日記としてかいていたログを見られる形でその真実は彼に知られることとなり一時的にその関係は冷え込んでしまう。その後、周囲には自身の偽りの姿を隠しながら日々過ごしていく。
- 中盤
その後数日がたち夏生と竜司さらに凜々花とともにサルベージ屋の仕事を始め、依頼をこなし、4人で行動するようになる。いつものように依頼をこなすために沖まで出回るが日が落ちる前に期間が難しいため一晩4人で船の中で夜をすごすことに、その晩のこと周回していた漂流で異常が起き霧と異常な波が発生しさらにアトリ自身にも異常が起き始める。そして彼らの目の前に現れたのは謎の文明を思わせる島「エデン」が現れ夏生と共にアトリは波に浚われ島に漂着しその後エデン内部に迷う混むこととなる。そしてその地で明らかになった真実はアトリ自身にも結果的に人生を左右する重大な真実であった。
人類は今現在危機的な状況にある。海域が広ばみその生活域にも危機的な状況にあった。その状況が人類にとっての水準が限界に達した場合を想定し、人工的に作られた安全な生活園に移住する計画「エデン計画」[11]謎の島、エデンはその計画の先行的に作られそしてその管理者権限として作られたのがアトリであった[12]。アトリは言うまでもなく自身が生贄になることなど否定しそれを拒み夏生と共に島を脱出する。以降その真実は心の中にしまい込み忘れさろうとする。その後も自身を偽り続けながら夏生と共に登校し日々を共に過ごす奇妙な関係が続く。しかしそんな日々も長く続かなかった。
- 終盤
その後いつものように登校したアトリはキャサリンからある事件について問いただされ登校禁止を言い渡される。彼らが日々登校し過ごす学校は決して捨て去れない真実があった。30年前、学校で起きた多数の生徒を重体に追い込んだ生徒襲撃事件の犯人その人物がアトリであった[13]。アトリはその日から学校には行かず夏生のサポートだけに徹するようになる。学校でもアトリが来ないことに周囲から異常を感じるものが現れ始める。そしてそんな日々が過ぎたある日学校に見るからに怪しい男性が現れアトリを連れて来いと言い生徒とキャサリンを人質にしアトリを呼び出し彼女に暴行を加えあたりり散らしていく。彼の正体はかつてATRIシリーズの開発者の助手であった。襲撃事件が起きたことが原因で失墜してしまった恩師の敵を討つためにアトリを処分するために彼は現れたのであった。アトリはこの時、遂に周囲に自身に感情も人格もないことを明かしかつての襲撃事件が自分自身であることを思い出し男性を滅多打ちにしていく。そして自身の中によくわからないものがこみあがっていく。30年前、アトリは決してしてはいけない事をしてしまった。その真実は、襲撃し重体に追い込んだ生徒はかつてのアトリの初代マスターである夏生の母親をイジメ登校拒否にまで追い込んだ張本人であった。アトリは夏生の母親を助けるためにイジメた張本人を襲撃し報復したのが真実でり悲しい事件であった。アトリはこみ上げるよくわからないものを力の一部として男性にぶつけ滅多打ちにしていく。夏生はアトリを抱きしめ止めに入りようやくその行為を止める。その感情は「怒り」からくるものだと夏生にそういわれ、かつての自分を思い出し夏生の母親のために行動に至ったこと。そして自身に感情と人格があることを認めその場で泣き崩れる。その後男性は自身の行動に間違いであったことを認めキャサリンにつれられ自首する形で事件は解決した。自我と感情、そして自らの人格を認めたアトリは依然と全く同じ振る舞いを夏生に見せ再び平凡な日々が戻る。しかしアトリにはすでに寿命が着きかけていた約束の45日間はアトリの寿命そのものであった。この時点であと5日間の猶予しかなかった。夏生の祖母が残した遺言「彼女をあの場所に連れていけ」その意味、そしてその場所は世界の真実が眠るエデンであった。その遺言はアトリの心に大きな重みとして伸し掛かる。自身が成し遂げなければならない使命。自分が死んでしまってはその使命を全うすることもできない。エデンの管理者として、生贄として眠りにつくことも死ぬことと同じであり何より愛する夏生と離ればなれになることを意味する。夏生の足として生きることを決意していたアトリにとってどちらの選択も重い選択となることは変わりなかった。
- 斑鳩夏生
現在、高2、17歳。本作の主人公。都市に存在するエリート育成校、通称アカデミーに彼は過去に在籍していたもののある事件が発端となり後に休学。その後祖母のクラス浜辺の街に移り住んだ。幼い頃に事故で母親と右足を失いそのトラウマが原因となり暗く静かな場所にいると発作に襲われる体質となった。高価なロボットの義足を手に入れるため海洋地質学者だった祖母の潜水艇を使い海に沈んだ遺産を手に入れようとしている。
- 前半
キャサリンと共にアトリを海中からサルベージしその後祖母から引きつく形で彼女のマスターとなり共に生活するようになる物語の最初期時点では生活家事全般は最悪なダメっぷりをみせるアトリとの関係に悪政苦闘を見せるが徐々に彼女のその優しさに惹かれていく。夏生は次第にアトリの優しさとその存在に依存していく。彼女と生活し始めてから発作に襲われることは全くなかった。その依存度のレベルは彼女に添い寝をあさまでし続けるほどである[14]。アトリと共に島に唯一残る学校に転校する形でクラスに編入するような形で以後一緒に登校するようになる。
何の変哲もない平凡な日々が過ぎたある日アトリの記憶を探す過程からなり行き上なせが竜司と共になぜか夏生はかつての自身の初恋相手を探す事になり竜司の情報を頼りに初恋相手を探す事になる。かつて彼が出会った初恋の存在を探していくうちに彼の中である疑念が生まれる。初恋相手の様子やある一部の雰囲気がアトリとそっくりだったのである。彼女の先代マスターは彼の祖母のため幼き日の夏生にあっていても決しておかしくないと竜司に言われ疑惑は深まることとなる[15]。いつものようにアトリと学校に登校したある日のこと、一部の支援者から学校にピアノが提供され賑わっていた。夏生はかつて母に教わった思い出の曲をピアノでひき始める。アトリは何かを思い出したようにピアノでひかれる音楽に合わせ歌い始める。この時夏生は確信するアトリはかつての自身の初恋の同一人物であることを。その曲は母から教えてもらった思い出の曲であり彼しか知らないのである。かつてアトリは祖母の側にいたのであればとうぜん母と会っているはずだし幼き頃の自分に合っていても同然だと瞬時に悟る。そしてアトリ自身も彼と会っていたことを思い出し二人は再会を喜び合いその絆は固いものにきずかれていく。
そして二人で生活し学校に登校し共に過ごすうちに思想愛のような形で愛し合うようになり。意を決してアトリに告白。「約束の42日」が過ぎても絶対にその手を放さず幸せにするとアトリに誓いそしてついに結ばれる。
平凡な日々が過ぎていく中、夏生はふとしたきっかけでアトリが日々書いていたログとして書き留めていた日記帳を見てしまう。日記の内容はアトリは人格や感情はなくただマスターである夏生に喜んでもらうためにあくまで疑似的につくりだした感情と人格を作り出しふるまっていただけという内容であった。事実を直視できなく認められなかった夏生はアトリに平手打ちをし二度と偽るなと言い以後二人の関係に亀裂がさしてしまう。
- 後半
それでもアトリのことを諦めきれず夏生はアトリを愛し続け絶対に離れることはなかった。学校ではいつも通りの恋人同士の関係を演じ自宅では冷たい関係がしばらく続く。それから数日が過ぎたある日、アトリと竜司さらに凜々花とともにサルベージ屋の仕事をするようになり依頼を受け4人で行動するようになる。いつものように依頼をこなすために沖まで出回るが日が落ちる前に期間が難しいため一晩4人で船の中で夜をすごすことに、その晩のこと周回していた漂流で異常が起き霧と異常な波が発生しさらにアトリ自に異常が起き始める。そして彼らの目の前に現れたのは謎の文明を思わせる島「エデン」が現れ夏生とアトリは波に浚われ島に漂着しその後エデン内部に迷う混むこととなる。そして夏生はアトリと共に世界とアトリに関する重大な真実を知る事となる。
人類は海域が広ばみその生活域にも危機的な状況にあった。そしてその状況が限界に来た時、人類は人工的に作られた安全な生活円に移住する計画「エデン計画」謎の島、エデンはその計画の先行的に作られそしてその管理者権限として作られたのがアトリであった。管理者となり中心部にある装置に眠りにつくことは生贄=死を意味することであった。たとえアトリと過ごした日常が偽りのものであったとしても彼女を愛し続ける夏生はそんな事は絶対に許すはずもなく夏生はアトリと共にエデンから脱出する[16]。
- 終盤
その他の登場人物[編集]
- 上白水菜萌
- 高1、17歳、夏生の幼馴染。事故で傷ついていた夏生が祖母の家に預けられていた時期に知り合い以後仲良くなった。小さな田舎町しかしらない少女。割とまじめな性格であるため絶対に見つからないとわかっていながらも悪いことができない性格。面倒見もよく夏生にもお節介を焼く、アトリをサルベージした際にも同行しており彼女がロボットであることを理解したうえで友達として認識している。アトリと夏生にピッタリなカップルだと認めており二人の関係を応援している。物語の序盤では学校には教師が不在だったため教師代行を務めている。押しかけで転入してきたアトリを快く受け入れその後は二人で家庭部を発足し学校の食事問題などに攻略し始めると同時にアトリの料理の不まずさなどの問題にも関わり改善に貢献した。学校襲撃事件の真相を知ってもなおアトリを友達として接し続け彼女がエデンに眠りについた後はアトリの代わりに夏生を守るため彼の足になることを決意する。実のところアトリの寿命が尽きる3日前に彼女から夏生のことを託されておりアトリの代わりに彼の足になることを決意したのはそれが要因である。そのご夏生と結婚し子と孫を受けるがアトリと離ればなれになって以降も夏生はアトリを想い続けていることを理解しており脳に電脳世界につなげダイブし自らの命を捨ててまで[17]。アトリの下に行こうとする彼を理解し彼の旅たちを笑いながら見届けた。
- 野島竜司
- 夏生の相棒、そして親友。あとのノアの初代市長。夏生とアトリの最大の理解者。夏生とアトリと出会った頃はいろいろと疑いの目をかけていたものの、学校の発電施設の一件を得て二人のことを認め以後彼らと行動を共にする。夏生をかけがいのない友と認識し物語中盤に差し掛かった頃はアトリ不在の時は彼の足代わりにもなっている。アトリがヒューマノイドであることが明らかになった後も彼女を今まで通りせっし続け喧嘩仲間として認識する。夏生の幼少期の話を聞きアトリが眠りについた時期と夏生が祖母の家にいた時期を合算して推理し彼の初恋がアトリであることを見抜くなど多彩に頭が回る[18]。物語中盤以降は夏生、アトリ、凜々花とともに海上サルベージ屋をはじめ波乱万丈な日々を過ごすこととなる[19]。
- キャサリン
- 物語最初期ではしがない借金の取り立て屋を自称し活動していたが。序盤早々に嫌気がさし夏生たちが通う教師不在の学校の教師に転職。実はいうと借金取り立て屋を始める前は本土で教師をしていたが力及ばず挫折した過去を持つ。島に行政など存在しないため押しかけでやってくる生徒がほとんどな学校をまっとうなものに仕立て上げる。ヒューマノイドであるアトリは文字通り一人の人としてあつかいそして自身の大切な生徒として見続け、生徒たちからも愛される存在となっていく。過去に学校に起きた襲撃事件の犯人がアトリであることが判明した際にはヒューマノイドの特有のエラーから来る暴走では無いかと疑い、一時期彼女を登校禁止を言い渡したが一連の事件を得てあくまで彼女自身の「心」が許せないという気持ちからきた行動であることが判明し、以降は再びアトリを大切な生徒として認め再び彼女を迎え入れた。その後アトリを失くしてもなおその心はけして折れず学校が海にしずまる直前まで生徒たちの面倒見続け学校を守り続けた。彼女が教え続けた生徒からアカデミーへの進学者が3人も誕生しノアへの移設時には伝説の教師として歴史に名を残している。
- 名波凜々花
- 天涯孤独の孤児の少女、夏生たちの通う学校に暮らしている。
スタッフ[編集]
- ●企画・シナリオ - 紺野アスタ(Frontwing)
- ●原画・キャラクターデザイン - ゆさの
- ●音楽 - 松本文紀
- ●アートディレクター、ディレクター - SCA-自
- ●演出 - Yow
- ●背景 - わいっしゅ
- ●制作 - フロントウイング、枕
- ●PVアニメーション制作 - CloverWorks
- ●製作 - ANIPLEX.EXE
注釈[編集]
- ↑ “ATRI -MY Dear Moments- SPECIAL”. ANIPLEX.EXE. 2020年7月15日確認。
- ↑ “ATRI -MY Dear Moments- SPECIAL”. ANIPLEX.EXE. 2020年7月15日確認。
- ↑ “ANIPLEX.EXE(アニプレックスエグゼ)公式Twitter” (2021年6月19日). 2021年12月2日確認。
- ↑ “美しいシナリオにグッと来るビジュアルノベル「ATRI」と「徒花異譚」がSwitchとスマホ向けに移植決定!”. GAME Watch (2021年12月2日). 2021年12月2日確認。
- ↑ “『ATRI -My Dear Moments-』がテレビアニメ化。高評価ノベルゲームが監督:加藤誠、シリーズ構成:花田十輝の手で蘇る”. ファミ通.com. 2022年9月24日確認。
- ↑ “アニメ「ATRI -My Dear Moments-」来年放送、アトリと夏生のティザービジュアル”. YouTube. 2023年3月26日確認。
- ↑ “アニメ「ATRI -My Dear Moments-」来年放送、アトリと夏生のティザービジュアル”. Yahoo!ニュース. 2023年3月26日確認。
- ↑ 正確にはもともとは夏生の母が事故死した後に祖母がマスターを引き継いだ事情があるため夏生は3代目に当たる。ただしアトリは祖母がマスターだということは認めてはいない。
- ↑ 島には行政など存在しないため文字通りただの「そういう設定」の方向にされており後に成り行き上学校の教師となったキャサリンもそこのところはまったく気にしていない。そもそも手続きそのものがないらしくこの学校の生徒のほとんどが押しかけで来ている状態で正式な手続きを受けて編入したのはアカデミーから転校してきた夏生だけである。
- ↑ 正確に言うとこの時点で自分に人格がないと勘違いしていた。
- ↑ 二人がこの世界の真実にたどり着いた際に行きついたエデンの内部で発見したコールドスリープ装置はかつてアトリが眠りについていた際に入っていた装置と同じものだとはっきりと夏生が発言しているがその装置そのものが前作との繋がりをプレイヤー視点で観えるような感覚になっている。なおこれが真実であるならば完全につながっていることになる。
- ↑ 実際にはアトリあくまでは30年前に作られたATRIシリーズの一人にすぎないがエデン計画の責任者であった夏生の祖母がその管理者としてルーチンをアトリに組み込んだのが事実である。ただしこれはあくまで生贄としてではなくすでに寿命が近かったアトリと偶然にもエデン計画に必要な管理者の存在に時期的に偶然にも一致したため責めて苦しまずに安らかに眠ってほしいという思いから想いから来たものである。
- ↑ 襲撃し重体においこんだ生徒はかつてのアトリのマスターに当たる夏生の母親をイジメた張本人、登校拒否にまで追いこみ自身の大切な友達でもある彼女を助けるために行った行為であり決してアトリ一人を責められなかったのが事実である。なおこの真相は事件が起きた日からすぐに周囲に広まり生徒の両親や関係者もその良心から島にいられなくなりすぐにその場から引っ越してしまった。当然ながら島の住民もその事実は周知であるが心を閉ざした夏生の母はけしてその事実を知ることは生きているうちに無かったもののアトリが自分のために行ったことは重々承知ではあるが彼女を拒絶してしまったことに後悔し悩み続け結局二度と二人は会うことも話す事も無かった。
- ↑ 本人も語ってはいるがその行為はあくまで発作を止めるために必要な行為だと話してはいるがどう見ても彼女に依存しきっているのは明白であり本人も心の底では認めている。事実二人の関係は中盤に和解に至ってからも同じ行為に至り思想愛ではあるがどこか夏生の視点から見れば依存に近いものを思わせるようなところがある。
- ↑ 竜司の推理によればアトリがコールドスリープに入ったのは多分この数日後ではないかとの説明されるがあくまで憶測にすぎない。
- ↑ これは祖母に対するあきらかな反発心にもあたるが夏生はこの時はまだアトリに対する祖母なりの愛情があったことは知る由もなく理解することもできなかった。
- ↑ 夏生の説明からすると電脳世界にダイブした時点で死は回避できないと言っておりその後のアトリと再会した際の会話では「死んだのに死ぬほど疲れた」と説明している。
- ↑ 夏生の説明された際にとっさにアトリを見て姿かたち髪型と雰囲気を見分けただけですぐに確信しているとはいえ夏生が帰還していた時期とアトリが祖母の家にいた時期を合算すればおおよそ検討はつくがあまりにも極端に話がうますぎるのではないかと本人も話している
- ↑ 本人曰く冒険心のようなものらしい。