鞠戸孝一郎
鞠戸 孝一郎(まりと こういちろう)は、オリジナルアニメ『ALDNOAH.ZERO』に登場する架空の人物である。
概要[編集]
- 声 - 中井和哉
地球連合に所属する軍人で大尉。物語開始前の「ヴァース帝国」との星間戦争を経験した数少ない兵士。界塚伊奈帆たちの通う芦原高校において軍事教官を務めている。常に気怠そうな態度を採っており、職務に怠慢で公務中にも関わらず酒を飲んでいる。種子島での一件から、孝一郎のことを嫌う軍人も多く、孝一郎自身も自嘲するところがある。ヴァース側の圧倒的な戦力を身をもって経験しているため、ヴァース帝国の軍事力を全く知らない地球連合軍の態度を皮肉ったり自分たちの火星騎士からに扱いを自虐したりする場面が多く、高校でのカタフラクト操縦訓練も意味がないと言いきったりしている。
普段の態度こそ不真面目だが、有事の際の行動は的確かつ模範的な軍人としての正しいモノである。第一に民間人の保護につとめたりする姿勢から、界塚ユキからは立派な軍人と言われている。しかし、種子島での悲惨な経験から、正常な状態でカタフラクトに乗り込むと精神的な理由で発作が起き動かすことができなくなる。
過去[編集]
15年前に種子島においてヴァース帝国の地球降下先遣部隊であるカタフラクト「デューカリオン」と「ディオスクリア」の襲撃を受ける。戦車部隊で交戦するも部隊は壊滅し直後「ヘブンズ・フォール」による月の破片が種子島に直撃し、部隊で唯一生き残る。その戦いで共に戦車に乗り、戦いで車内に閉じ込められて生きたまま焼かれた、親友ジョン・ヒュームレイをこれ以上苦しめない様に射殺したことでで心に深い傷を負ってしまった。戦争終結後の「種子島レポート」と呼ばれる報告レポートを提出するも、種子島での件は軍上層部によって握りつぶされ、軍内部からは嘘つき扱いされ親友を殺した卑怯者呼ばわりされてしまった。さらに、親友を殺したトラウマによりPTSDを患い前述のようにカタフラクトを動かすことができなくなってしまう。
ダルザナ・マグバレッジはヒュームレイの実の妹であり、戦争で共闘する事になってしまう。因縁の地である種子島周辺海域にてその事を伝えられ、当初はゆるさない宣言をされていた。
活躍[編集]
ヴァース帝国の地上侵攻が始まり、トリルラン卿のカタフラクト「ニロケラス」と交戦するも惨敗、自身もPTSDを再発させてしまう。第1期は度重なる火星騎士専用カタフラクトの襲来に応戦しようとはするものの、PTSDによりカタフラクトを動かす事が出来ず、全く戦力になっていなかった。
地球連合軍法部での戦いから1年の期間を経てトラウマを克服し、優秀なカタフラクト操縦者となっていた。また、これまで依存していた酒も勝利祝いで飲む程度にまで抑えている。途中まで伊奈帆達とは別行動をしており、宇宙に上がった航空戦艦「デューカリオン」とは別に地上に残り小隊を率いて戦っていた。コードネームは「クライスデール・リーダー」。
ユキら小隊を率いてマズゥールカ卿の駆るカタフラクト「シレーン」と交戦。重力磁場を操る敵の前に追い詰められるが、気絶しそうになった所をトラウマが脳裏に甦った事で意識を持ち直し、伊奈帆のアシストによる「デューカリオン」の大気圏上からの精密射撃によって敵能力を無力化し、勝利を治めた。
その後は「デューカリオン」と合流し各地の火星騎士と交戦。ヴァース帝国の重要拠点である月面基地を巡る決戦まで戦い抜いた。 終戦後も軍事教官として身を置き続けており、過去と決着を付けたのかしっかり職務に励んでいるのを確認出来る。
交流関係[編集]
- 前述のとおりダルザナ・マグバレッジは介錯した親友の妹であり、マグバレッジは私情を任務に持ち込んだりはしなかったものの当初は不穏な関係だった。物語が進むうちに両者の関係は大いに改善され、頼れる戦友といった感じになり、マグバレッジが上層部に呼び出された際には御伴として同行していた。ただし、相変わらずマグバレッジと顔を合わせるとバツが悪い顔をする。
- 界塚ユキは軍事教官時代からの部下。ユキは職務に不熱心である孝一郎を見続けても実際は立派な軍人だと信頼し敬意を表していた。孝一郎がパイロットに復帰してからは小隊に加わり、共闘している。
- 軍医である耶賀頼蒼真はかかりつけの医師であり、PTSD治療に大きく貢献した。苦悩を気兼ねなく話す事の出来る蒼真の存在は非常に大きく、パイロット復帰以降は祝杯を上げる際の飲み友達でもある。
搭乗機体[編集]
アレイオン[編集]
地球連合軍の正式採用主力機。地球連合軍本部での戦いから1年後までの間で孝一郎はトラウマを克服しカタフラクトに乗り込む事が可能となった。操縦技術は他のデューカリオン所属パイロットに引けを取らず、火星騎士の専用カタフラクトにも食らいつく。