金町学園
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金町学園(かなまちがくえん)は、東京都葛飾区にある主に聴覚障害児を対象とした福祉型障害児入所施設。運営は社会福祉法人東京愛育苑。
概要[編集]
関東地方で唯一の聴覚障害児入所施設。様々な事情により家庭で暮らすことが困難な児童、ろう学校からの大学進学やろう学校での資格取得を目指す児童を受け入れ、自立に向けた支援を行っている。2016年12月31日時点では5-20歳の27人の入所者が共同生活を送りながら、ろう学校に通う。11人の職員全員が施設の公用語である手話ができる[1][2]。
2011年に社会福祉法人のゆり会への事業譲渡が決定され、2017年3月の新学園竣工が予定されたが、2015年7月に事業譲渡は白紙化となった。2018年3月に閉園する予定は変わらず[3]、運営する東京愛育苑は入居者を他の障害児施設などに移すことを検討[2]。一方、園長らは聴覚障害者のコミュニケーション手段である手話を基盤とした生活環境が必要であるなどとして、2015年10月に「聴覚障害児の会」設立準備会を設立し、新施設の建設を目指してクラウドファンディングや寄付金集めなどの活動を開始した[1][4]。東京都議会議員の音喜多駿や斉藤里恵が視察したり[5]、安倍昭恵首相夫人の提案で子どもたちが首相公邸に招かれたりする一幕もあった[6]。
その後、千葉県松戸市の社会福祉法人永春会が新施設を運営することが決まり、2018年4月に「聴覚障害児の会」設立準備会は社会福祉法人聴覚障害児の会に改組し、社会福祉法人永春会による入所施設「アレーズ秋桜」の設立を支援することになった[4][7]。聴覚障害対応型福祉型障害児入所施設「アレーズ秋桜」は平成33年(2021年)度に開設される予定[8]。
沿革[編集]
- 1933年 - 高柳暉が東京市本所区中ノ郷88番地(現・墨田区)に「東京ろうあ技芸学園」を創設[9]。聴覚障害のある貧困児童の職業教育を目的とする[2]。
- 1948年 - 「東京愛育苑」に改称、児童福祉法に基づくろうあ児施設となり[9]、戦災孤児らを受け入れた[2]。墨田区寺島町に新園舎完成[10]。
- 1956年 - 葛飾区金町に新築移転し、「金町学園」に改称。定員70名[10]。
- 1964年 - 葛飾区水元三丁目に新築移転[10]。
- 1982年 - 定員30名[10]。
- 2012年 - 児童福祉法改正により、福祉型障害児入所施設となる[10]。
出典[編集]
- ↑ a b 「「金町学園」閉鎖の危機 関東唯一の聴覚障害児入所施設」『東京新聞』2016年12月31日朝刊
- ↑ a b c d 「「手話の場を守りたい」 金町学園・浜崎園長に聞く」『東京新聞』2016年12月31日朝刊
- ↑ 上杉正忠 金町学園の閉園とその対応について 聴覚障害児の会(2015年11月24日)
- ↑ a b 聴覚障害児の会について 聴覚障害児の会
- ↑ おときた駿 東日本唯一の聴覚障害児専門入所施設・金町学園が閉鎖の危機!児童たちの生の声を直接聞いてきた ハフィントンポスト(2016年2月6日)
- ↑ 東日本に唯一の聴こえない子どもの入所施設「金町学園」を守りたい Readyfor
- ↑ 濵田豊彦 新社会福祉法人「聴覚障害児の会」の発足について 聴覚障害児の会(2018年4月21日)
- ↑ アレーズ秋桜(聴覚障害対応型福祉型障害児入所施設等) 社会福祉法人永春会
- ↑ a b 社会福祉法人東京愛育苑(団体ID:1208738367)/団体情報 CANPAN(2013年7月10日更新)、2016年12月31日閲覧
- ↑ a b c d e 事業概要 東京愛育苑 金町学園、2016年12月31日閲覧