過失運転致死傷罪
(過失運転致死傷から転送)
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過失運転致死傷罪(かしつうんてんちしょうざい)は「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(平成二十五年法律第八十六号)[1](自動車運転死傷行為処罰法)の第五条に規定されている刑罰である。自動車運転死傷行為処罰法は刑法に規定されていた罰則規定を独立させた特別刑法である。過失運転致死傷罪は危険運転致死傷罪より罰則は軽い。
刑罰[編集]
7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金が規定される。
構成要件[編集]
- ①自動車の運転上必要な注意を怠った事、
- ②人を死傷させたこと。
運転者の義務[編集]
自動車とは道路交通法に規定する自動車および原動機付自転車である。注意義務の内容は結果(事故発生)に対する予見義務(結果予見義務)と、結果に対する回避義務(結果回避義務)とに分けられる。結果(事故発生)の予見や結果の回避が不可能な場合は「無過失」となる。
予見義務[編集]
車を運転するものは、あらゆる事態を想定し,危険を予知する義務がある。例として道路外から車両や歩行者が飛び出してくる可能性を予見しなければならない。事実認定にあたり発見可能な地点、対象物との距離、自車の速度、四囲の状況等から義務違反があるかが検討される[2]。
回避義務[編集]
自動車の運転中は、結果の発生(事故になること)を回避すべき義務がある。事実認定に当たっては、前方を注視していても結果回避可能な時期場所で対象物を発見できないときは、結果の予見ないし回避が不可能であるから前方注視義務違反を問うことはできない[2]。
参照文献[編集]
- ↑ 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律G-GOV,令和二年七月二日
- ↑ a b 鈴木勝利他(1992)「自動車事故における過失」『刑事事実認定(上)』判例タイムズ社,PP.143 頁以下