速度記号
速度記号(そくどきごう)とは、楽曲を演奏する際にテンポを指示する記号。速度標語とも書かれる。メトロノームを用い、一般に、4分音符を1拍とする際の速度と、それに対応する速度の記号を示す。メトロノームは、速度を調節する機械で、電子音が鳴るデジタルタイプが主流になっている。
概要[編集]
1分間に何回音符・ビートを刻むかということを指す。コントロールが細かい。4分音符を1拍とする拍子は、4分の4拍子、4分の2拍子(所謂行進曲・マーチ)、4分の3拍子の3種類。例として、テンポ120は、1分間で120拍、2拍で1秒、1拍で0.5秒である。テンポ120で1拍の計算は、60÷120=0.5秒。テンポ60は、1分間で60拍、2拍で2秒、1拍で1秒ということになる。テンポ60で1拍の計算は、60÷60=1秒。テンポ60は、秒数の測定時間に使える。変化形としてはadagietto、allegro moderato、andantinoなどがある。単位はBPMで表現され、BPMとは、Beats Per Minuites(ビート・パー・ミニット)の略。目安となるテンポは、必ずしも絶対的なテンポとはいえず、楽典の本、演奏者、アプリなどによって微妙に異なる場合がある。テンポの既定値は、32〜280であることが多い。 曲の小節数は、一般に、テンポが遅ければ小節数が少なくなり、テンポが速ければ小節数が多くなるものが多い。
曲やフレーズを聴きながらボタンを叩き、テンポがどれぐらいか測定したり、合わせたいときに設定する機能を「タップテンポ」という。
速度記号の名称とそれに応じたテンポの範囲は、
- largo:44~49
- larghetto/lento:50~55
- adagio:56~61
- adagietto:62~67
- andante:68~77
- andantino:78~89
- moderato:90~102
- allegretto:103~113
- allegro moderato/animato:114~127
- allegro:128~139
- allegro assai:140~147
- vivace:148~158
- vivo:159~167
- presto:168~186
- prestissimo:187~210
表[編集]
速度記号 | テンポ(BPM) |
largo(ラルゴ) | 44~49 (46前後) |
larghetto(ラルゲット)/lento(レント) | 50~55 (53前後) |
adagio(アダージョ) | 56~61 (58前後) |
adagietto(アダージェット) | 62~67 (64前後) |
andante(アンダンテ) | 68~77 (72前後) |
andantino(アンダンティーノ) | 78~89 (84前後) |
moderato(モデラート) | 90~102 (96前後) |
allegretto(アレグレット) | 103~113 (108前後) |
allegro moderato(アレグロモデラート)/animato(アニマート) | 114~127 (120前後) |
allegro(アレグロ) | 128~139 (134前後) |
allegro assai(アレグロアッサイ) | 140~147 (144前後) |
vivace(ヴィヴァーチェ) | 148~158 (152前後) |
vivo(ヴィーヴォ) | 159~167 (162前後) |
presto(プレスト) | 168~186 (176前後) |
prestissimo(プレスティッシモ) | 187~210 (194前後) |
ジャンル[編集]
音楽のジャンルの要素に適したものは、リズム(伴奏スタイル)の種類や使用されるパターンも複数ある。ラブソングやバラードはテンポ63〜80、ポップやロックはテンポ100〜130、ヒップホップはテンポ90〜106、ハウスはテンポ120〜140、テクノやトランスといったダンス系はテンポ130〜150、普通のアップテンポは128~144。