脊髄性筋萎縮症

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脊髄性筋萎縮症(せきずいせいきんいしゅくしょう)とは、特定の遺伝子の機能が欠けることが原因で筋力が低下する難病のことである。小児期までに10万人に1人から2人が発症すると見られている。なお、生後間もない時期に発症した場合に限り、人工呼吸器を使用しないと1歳6ヶ月までに多くの患者が死亡するとされている。

概要[編集]

症状[編集]

この難病には、発症する年齢によって4つのタイプが存在する。

  • 1型 - 出産直後から生後6ヶ月までに発症する。4つの中でも最も重いとされ、座る姿勢が困難になり、食物を飲み込む力も弱くて誤嚥しやすい。そのため、人工呼吸器が必要な患者が多い。
  • 2型 - 1歳6ヶ月までに発症する。支えなしに立ったり歩いたりすることができないとされる。わずかな例だが、成人になって発症する型もある。
  • 3型 - 発症は1歳6ヶ月以降である。自立歩行を獲得するが次第に転びやすくなる。進行すると歩けない、立てないといった症状になる。後に上肢の挙上も困難になる。側弯症を伴うようになる。
  • 4型 - 20歳以降の発症である。小児期や思春期に筋力低下を示すIII型の小児は側弯を示すが成人発症のIV型は側弯は生じない。重症度は多様である。IV型は筋萎縮性側索硬化症との関連が議論される。臨床的に筋萎縮性側索硬化症と診断されている症例において上位運動ニューロン徴候を伴わない例はSMA IV型の可能性がある。

治療[編集]

2020年現在、治療薬としては注射薬であるスピランザがあり、公的保険適用での薬価は約950万円である。症状に応じて、年に数回使い続ける必要がある。

また、ゾルゲンスマという薬があり、これは遺伝子治療薬(静脈への点滴で正常な遺伝子を導入し、運動機能の回復を目指す)で2歳未満の患者が対象となる。1回の投与で治療は済むが、保険で使える薬としては日本国内最高額の1億6707万円である。

外部リンク[編集]