聶栄

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聶 栄(じょう えい、? - 紀元前397年[1])は、中国戦国時代女性テロリストであった聶政の姉。

生涯[編集]

紀元前397年に弟の聶政が大臣である厳仲子のために宰相侠累暗殺し、自らも身元が知られぬように自分の面を剥ぎ、目玉をえぐって自殺した[1]。このため韓では身元がわからなかったので、聶政の屍を晒して千金の懸賞金をかけて正体を突き止めようとした[1]。聶栄はその噂を聞くと弟かもしれないと韓に赴き、死体を確認して聶政であることを悟り、屍に伏して慟哭し、「これは私の弟です」と言った。周囲の人々が驚いて「なぜわざわざ身元を明かそうとするのか」と尋ねたところ、聶栄は「弟が後に残った姉である自分に罪が及ばないことを恐れ、身元がわからないようにしたのだろうが、自分は賢弟(士は固より己を知る者の為に死すの信念を貫いたこと)の名を滅ぼすわけにはいけないのです」と言うと、大声で天に向かって3度呼びかけ、嗚咽して悲しみのあまり、弟の屍のそばで息絶えたという[2][3]

後にこれを知った諸国では、聶政の信念を貫いた立派さだけでなく、聶栄の烈女ぶりも大いに称賛したという[3]

脚注[編集]

  1. a b c 青木五郎、中村嘉広 編『史記の事典』大修館書店、2002年、p.510
  2. 青木五郎、中村嘉広 編『史記の事典』大修館書店、2002年、p.511
  3. a b 青木五郎、中村嘉広 編『史記の事典』大修館書店、2002年、p.231

参考文献[編集]