翁長雄志
翁長雄志(おなが たけし)は、沖縄県知事だった。1950年10月2日生、2018年8月8日死去。
辺野古への普天間基地移設問題に関し、国に対して抗議し反対したことでよく知られている。
施策[編集]
中国との関係を重視し、日本国際貿易促進協会の訪中団には毎回参加をしており、2015年に就航された那覇と中国・福州の定期便は、翁長が李克強首相に働きかけたことで実現した。同定期便は搭乗率の低迷により欠航となっているため、県では経由地を増やしたり補助金を拠出するなどの対策を施して再開を目指している[1]。
2017年2月に辺野古基地移設に反対するために派遣団とアメリカを訪れて私は沖縄と南シナ海に攻撃的な米軍基地を排除することを願っていますと反対集会で明らかにした[2]。
那覇軍港の浦添移転(浦添の海の埋め立て)を推進[編集]
那覇市長時代は那覇軍港の浦添移転を推進した。那覇軍港を返還させるとともに、浦添沖を埋め立てて新しい軍港を作り移転した。移転に際して翁長氏は「決断に敬意を表する。今後、那覇港は県、那覇市、浦添市の三者が一体となって国際流通港湾として整備・管理することになる。振興発展を担う中核施設として整備されるように努力を重ねたい」と評価した[3]。これに対して共産党は「住民がかごいっぱいのモズクを取ったり、タコを取ったり、豊かな海です。リーフが広がる青い海の輝きは、天気の良い日にくると本当に心を打たれる素晴らしさです。しかし、埋立事業によりこのリーフはほとんどが埋められてしまいます。」と批判した。[4]。
福州市からの名誉市民表彰[編集]
2005年、那覇市の姉妹都市である中国福建省福州市から「名誉市民」の表彰を受けた。この表彰について、翁長は、那覇市の公式ホームページで「私が名誉市民の表彰を受けたのは、上山中学校と福州市の外語学校との交流を行なうなど、市民の方々、それから歴代の市長を始め、職員が一生懸命、福州市とこれまで交流を続けていただいたことでの表彰であり、那覇市の代表ということで受け取って参りました」「今後も交流の輪をしっかり受け継ぎ広げていこうと決意を固めた授章式でした」[5]と述べており、姉妹都市としての友好関係の上で市の代表として受賞したと説明している。
尚、那覇市と福州市は1981年に友好都市締結の調印をして以来相互の市長に名誉市民の称号を贈っている[6]。翁長の市長就任以前に、那覇市は2000年に福州市の翁福琳市長を「市国際親善名誉市民」として顕彰している[7]。
「龍柱」設置事業推進[編集]
友好都市である中国福州市との友好都市締結30周年を記念して、交流のシンボルにしようと「龍柱」の設置を発案[8][9]。事業費には沖縄振興一括交付金の約2億5400万円を活用し[10]、若狭地区の緑地に高さ約15メートル、幅3メートルの「龍」の形をした柱を2体設置する計画で[9]、2012年12月に那覇市議会で1億2400万円の予算案が可決、翌13年6月には追加の1億3000万円の予算案が可決された[11]。
2014年12月の完成予定であったが工事が遅れ、2014年度内に完成できなくなったため予算の繰り越しが必要になった[8][10]。しかし、国から交付金の返還を求められる可能性が指摘され繰り越しを断念、市の負担額が膨らんだ[9]。7月に市の予算で契約が行われ、龍柱は2015年12月29日に完成した[8]。
産経新聞は龍柱の建設について、国民の税金である一括交付金の多くが発注先の中国企業に流れるとして批判している[12]。
デマ被害[編集]
しんぶん赤旗は、2014年沖縄県知事選挙において、対立陣営より「日本共産党支配のオール沖縄」などとした反共・デマ攻撃を受けたと主張している[13]。
共産党との関係[編集]
沖縄からの基地撤去を推進する共産党からは強力な支持をうけている。共産党の志位委員長からは「このたたかいの先頭に立つオナガさんが知事になれば、日米両政府に巨大な衝撃を与え、新しい歴史の扉を開きます。オナガさんを知事に押し上げ、沖縄の新しい歴史をつくろう」[14]と激励され、翁長氏も「志位委員長から激励をいただき、本当にこれまでの政治活動が間違っていなかったと感じています。一緒に行動して本当に違和感がない。なぜもっと前から一緒にならなかったのかと話すくらいです。」[15]と応えた。城間前那覇副市長とともに志位委員長と手をつないだ写真[16]が掲載されるなど、蜜月ぶりをアピールしている。
この時の写真は共産党の志位委員長の公式Twitterにも掲載されている[17]
脚注[編集]
- ↑ 沖縄タイムス 2017年3月25日 09:53 [1]
- ↑ https://twitter.com/alicenewb/status/826683648099377157
- ↑ 那覇軍港受け入れ表明/浦添市長琉球新報 2001年11月13日
- ↑ 日本共産党浦添市委員会が、軍港のための埋立が進む西海岸で学習集会。日本共産党おきなわ県委員会 2001年11月13日
- ↑ 市長室web出張所 2月の市長メッセージ
- ↑ 福州市との交流の歩み
- ↑ 福州市長に「名誉市民」/那覇市 琉球新報 2000年10月11日
- ↑ a b c “那覇市の龍柱が完成 高さ15mの2体、大型旅客船岸壁近くに”. 沖縄タイムス プラス. (2015年12月30日) 2016年4月15日閲覧。
- ↑ a b c “「龍柱」那覇市の負担4倍に 補正予算、市民から批判も”. 沖縄タイムス プラス. (2015年5月8日) 2016年4月15日閲覧。
- ↑ a b “国、那覇の龍柱予算認めず 交付金返還も”. 琉球新報. (2015年4月8日) 2016年4月15日閲覧。
- ↑ “「龍柱」設置に2.5億円 那覇市議、効果を疑問視”. 琉球新報. (2013年7月2日) 2016年4月15日閲覧。
- ↑ 【地方紙検証】「龍柱」事業で透ける沖縄の実態とは… 抑止力論議そっちのけで対立煽るだけでよいのか?(1/3ページ) 産経新聞 2015年4月11日
- ↑ デマ攻撃はねのけオナガ必勝を 沖縄知事選 呉屋選対本部長が檄文 しんぶん赤旗 2014年11月6日
- ↑ しんぶん赤旗日曜版 2014年10月26日 7面
- ↑ しんぶん赤旗日曜版 2014年10月26日 6面
- ↑ しんぶん赤旗日曜版 2014年10月26日 1面
- ↑ 志位和夫公式twitter志位和夫@shiikazuo 夜の那覇夜の那覇での演説会は必勝への熱気で溢れました。翁長さんは、平和を願う「沖縄の心」を託せる最良・最善の政治家です。翁長さんを知事に押し上げて、沖縄の新しい歴史をつくろうと訴えました