第67回桜花賞

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2007年4月8日阪神競馬場で行われた第67回桜花賞は、出走馬のその後の活躍で、史上例を見ないほどレベルの高い競走となった。

レース施行時の状況[編集]

阪神競馬場の当日の馬場状態は絶好の良馬場。前年12月に出来た改修工事により、馬場がそれまでの1周約1600mコースの外側に約400m延長する芝コースが完成して、この年から外回りコースを使用して行われることとなった。

トライアルレースの結果[編集]

トライアルの結果[編集]

第14回チューリップ賞(JpnIII)
着順 競走馬名 騎手 タイム 着差
1 ウオッカ 牝3 四位洋文 1:33.7
2 ダイワスカーレット 牝3 安藤勝己 1:33.7 クビ
3 レインダンス 牝3 武幸四郎 1:34.7 6
アネモネステークス
着順 競走馬名 性齢 騎手 タイム 着差
1 エミーズスマイル 牝3 内田博幸 1:35.8
2 フローラルカーヴ 牝3 柴山雄一 1:36.0 1 1/2
3 パッションレッド 牝3 柴田善臣 1:36.1 3/4
第41回フィリーズレビュー(JpnII)
着順 競走馬名 性齢 騎手 タイム 着差
1 アストンマーチャン 牝3 武豊 1:21.8
2 アマノチェリーラン 牝3 池添謙一 1:22.2 2 1/2
3 ハギノルチェーレ 牝3 武幸四郎 1:22.4 1 1/4

単勝人気[編集]

1番人気は前年の阪神ジュベナイルフィリーズ、エルフィンステークス、そしてチューリップ賞ダイワスカーレットを負かして3連勝のウオッカ四位洋文騎手とのコンビで挑む。2番人気は阪神ジュベナイルフィリーズ2着で前走報知フィリーズレビューを制して堂々と駆け抜けてきた武豊騎乗のアストンマーチャン。3番人気はチューリップ賞2着のダイワスカーレット。この3頭が抜けた存在で、以下ショウナンタレントエミーズスマイル(地方馬)が続いた。

出走馬と枠順[編集]

2007年4月8日 第2回阪神競馬第6日目 第11競走
天気:晴、馬場状態:良、発走時刻:15時40分
枠番 馬番 競走馬名 騎手 単勝オッズ 調教師
1 1 ショウナンタレント 牝3 柴田善臣 34.7(4人) 二ノ宮敬宇
2 アポロティアラ 牝3 勝浦正樹 307.1(18人) 柴崎勇
2 3 カタマチボタン 牝3 藤田伸二 63.4(7人) 加藤征弘
4 クーヴェルチュール 牝3 鮫島良太 304.6(17人) 国枝栄
3 5 レインダンス 牝3 武幸四郎 99.5(10人) 宮徹
6 ローブデコルテ 牝3 福永祐一 76.8(9人) 松元茂樹
4 7 イクスキューズ 牝3 北村宏司 55.8(6人) 藤沢和雄
8 ピンクカメオ 牝3 蛯名正義 75.6(8人) 国枝栄
5 9 アマノチェリーラン 牝3 池添謙一 184.3(14人) 湯窪幸雄
10 ハギノルチェーレ 牝3 岩田康誠 123.0(11人) 松永幹夫
6 11 ニシノチャーミー 牝3 藤岡佑介 171.3(13人) 浅見秀一
12 カノヤザクラ 牝3 上村洋行 151.9(12人) 橋口弘次郎
7 13 フローラルカーヴ 牝3 柴山雄一 282.2(15人) 堀宣行
14 ウオッカ 牝3 四位洋文 1.4(1人) 角居勝彦
15 アストンマーチャン 牝3 武豊 5.2(2人) 石坂正
8 16 ベリーベリナイス 牝3 秋山真一郎 292.2(16人) 増本豊
17 エミーズスマイル 牝3 内田博幸 44.6(5人) 出川龍一
18 ダイワスカーレット 牝3 安藤勝己 5.9(3人) 松田国英

レース展開[編集]

スタートでニシノチャーミーが出遅れ、逃げると思われていたショウナンタレントは控えた。まずアマノチェリーランが逃げ、その後にアストンマーチャンが外からかかり気味に上がって2番手につく。そのアストンマーチャンをマークして3番手の外側にダイワスカーレット、そしてウオッカはそのダイワスカーレットを前に見て進んでいた。前半の800メートルが47秒。直線では逃げるアマノチェリーランを外からアストンマーチャン、ダイワスカーレットが襲い掛かる、ウオッカの四位騎手も左鞭が入る。しかしダイワスカーレットはアストンマーチャンを交わすと追いすがるウオッカを突き放して、そのままゴールイン。

結果と払戻金[編集]

単勝式 18 590円
複勝式 18 130円
14 110円
3 510円
枠連 7-8 240円
馬連 14-18 270円
ワイド 14-18 150円
3-18 1,570円
3-14 830円
馬単 18-14 1,000円
3連複 3-14-18 2,830円
3連単 18-14-3 12,680円

レース後の記録[編集]

  • 優勝馬ダイワスカーレット。ここまで5戦3勝。生涯通算12戦8勝2着4回。父アグネスタキオン。母スカーレットブーケ。母の父サンデーサイレンス。松田国英調教師は初勝利。安藤勝己騎手は前年のキストゥヘヴンに続き桜花賞2連覇。そして通算700勝を達成した。この後、秋華賞、エリザベス女王杯を制し、有馬記念2着。翌年は天皇賞(秋)2着の後、有馬記念を制す。
  • 2着ウオッカ。ここまで6戦4勝。生涯通算26戦10勝(海外を含む)。この後、日本ダービーを制し、秋華賞3着。翌年安田記念、天皇賞(秋)を制し、翌々年ヴィクトリアマイル、安田記念、ジャパンカップを制す。
  • 4着ローブデコルテ。この後にオークスを制す
  • 14着ピンクカメオ。この後にNHKマイルカップを制す。
  • 15着エミーズスマイル。船橋所属馬で、ライデンリーダー以来の地方所属馬の出走となった。
  • 出走馬のその後引退までの生涯G1タイトルの獲得数は13(4頭)で、これは例年の有馬記念に匹敵するタイトル獲得数で、3歳馬最初の競走で多士済々のメンバーが揃った史上最高の桜花賞であった。
  • 外国産馬の出走枠がこの年から6頭となった。
  • 国際セリ名簿基準委員会(ICSC)でパート1国へ昇格し、その勧告によりこの年から重賞格付けをJpn1に変更された。その後2010年にG1に戻った。

参考文献[編集]

  • 「優駿」2010年4月号 35P 皐月賞・桜花賞プレビュー ウオッカ引退。

関連項目[編集]