移動計測車両
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移動計測車両(いどうけいそくしゃりょう)とは、車両にレーザスキャナやGNSSアンテナ、デジタルカメラを搭載し、自車の周囲を計測・撮影しながら走行する車両のことである。モービル・マッピング・システム(MMS)とも呼ばれる。以下、呼称は「MMS」に統一する。
概要[編集]
MMSは搭載する車両の自由度が高く、トヨタ・ハイエースなどのワンボックスのほか、VW・ゴルフなどのコンパクトカーに搭載されることもある[注 1]。そのほか、台車に機器を乗せて手押しで計測したり、鉄道においてはトロに計測装置を架装するほか、前述のMMSとなった自動車をそのまま搭載する場合もある。 かつては車両を改造し装置を固定するタイプが主流であったが、近年では取り外し可能なタイプ(可搬型MMS)に移りつつある[注 2]。
用途[編集]
走行するだけで周囲の地形などを計測できるため道路や関連施設などの測量・調査などに使用され、道路の維持管理などに用いられることが多い。また、鉄道においても変状確認やトンネルなどの維持管理、そのほかには建築限界測定車としても使用されることがある。
搭載される機器[編集]
代表的なものを以下に示す。
- レーザスキャナ
- 計測の要。レーザを用いて周囲の地形・地物を計測する。メーカーや目的によって搭載場所が変わる。
- GNSSアンテナ
- 自己位置をGPSやGLONASSなどのGNSS衛星により把握するために設置される。
- デジタルカメラ
- 通常のデジタルカメラではなく、固定焦点の業務用カメラが搭載される。複数個設置されており、多いものだと6個近く搭載されるケースもある。
- 全方位カメラ
- 一部のMMSに搭載される。3次元計測結果は点群で表されるため、周囲状況の把握のために利用されることがある。
- IMU(慣性計測ユニット)
- 車両の動揺や姿勢変化を記録する装置。得られたデータは計測結果解析の際の補正に用いられる。