確証バイアス

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判断が遅い!

考えが浅い!

確証バイアス(かくしょうバイアス)は、大雑把に言えば「本人の意志で変更困難なほど強力に信じ込んでしまった先入観」「先入観が100%正しいことを前提に、(無意識に)その先入観を補強する情報ばかりを優先し、先入観を否定する内容を無視するかまたは無根拠に否定してしまう」といった心理状態を指す心理学の用語。

概要[編集]

心理的バイアス効果のうち認知バイアスのひとつで、精神障害ではなく人類であれば誰にでも起こり得る「勘違い」である。

心理パニックによりバイアスが発生する例[編集]

勘違いではあるが、パニックの側面もあり、例えば

  1. 荒らしが現れた!
  2. こいつは有名な荒らしだ!
  3. 最初にこの事実に気づいたのはもしかしてオレだけなんじゃないか?!

のような無根拠の三段論法から

  1. だめだこいつ、早くなんとかしないと
  2. そうだ、オレが率先して荒らし対処すべきなんだ!
  3. みんながいろいろ反論して来てるのは荒らしに巧妙に騙されてるんだ!

といった「本気で無根拠な結論」に辿り着いた結果として『 特定人物に粘着する荒らし行為を始める 』といった事例も起こり得る。
これは全てのフェーズで「自己の行動は早く動かねば効果が薄れる(慌てて急いでいるので思考に余裕がないパニック状態)」といった誤った認識の心理効果が作用した上で、

  • 皆にとって絶対に必要で皆が(最終的には)喜ぶこと
  • 自分だけが問題の本質に気づいたのだ
  • 反対者はみんな荒らしに騙されているか、問題の大きさに気づいていない

といった否定心理バイアスが働いているため、他人の意見のうち、自身に好意的でない意見の全てが間違っているように思える(思い込む)。

これらは落ち着かせて、例えば「あなたの行動の正しさを保障している方針文書を提示可能ですか?」といったごく単純な(自分でもそれに従うべきと考えている)内容を諭すだけで行動前提そのものがおかしいことに気づく(気づけ(断言)。そしたらお互い楽だから)。

確証バイアスによる詐欺の例[編集]

心理バイアスであることから、原理を知っていることで心理的に相手を誘導可能な「話術」のひとつでもあり、詐欺に使用される手口にも利用されている例がある。

  1. 犯人A「こちら○○弁護士協会の弁護士から業務委託された者です。過去にお借りになられた消費者金融での債務についてお話を伺いたいのですが」
  2. 犯人A「大変貴重なお時間をありがとうございました、お話の原因は概ね把握しました。お手数ですが○○弁護士協会所属の弁護士の携帯電話番号○○へ連絡して頂き、その後の対処についてご相談されて下さい」
  3. 犯人B「それはあなたの消費者金融の債権を債権者がヤクザに売り渡した事例と思われます。債権請求を無効にするためには裁判が必要になります」
  4. 犯人B「裁判費用が掛かりますが、裁判費用で使われた費用は全額ヤクザに請求可能です。事情が事情ですので安く見積もりまして、現金200万となります」
  5. 犯人A「事情は把握しました。こちらの方で裁判費用の送付先を適切に分配しますので、50万円に分けて郵便小包として指定する郵送先4か所へ送付されて下さい、口座振込より安全です」

解説すると、

1)犯人らが知らない、でも誰でもやってそうな債務に関するカマかけ
2)被害者は相手の親身な合いの手を受けながら自分から債務に関する情報を説明してしまう
  • 情報を話すだけでは金銭被害がないので詐欺師なら自分を脅迫する筈などといった強いバイアスが掛かっている
3)現在話している相手とは違う相手と話すことで「組織的に自分を救済してくれる」と思い込む
  • 既にこの時点で弁護士事務所へ連絡した方が信頼性が高く確実、という頭が働かない
4)正式な裁判なら裁判費用請求権があるのが本当、ヤクザに売り渡された裁判を取り返すための裁判が必要なのが嘘(暴対法
  • 既に相手を全面的に信頼する姿勢になっているので極端な嘘でなければ気づかない
5)郵便小包で現金を郵送することそのものが郵便法に反する違法な送金方法なのだが、もうこの時点まで至ると手遅れ案件
  • オレオレ詐欺同様に偽口座へ入金させるのが「全ての」詐欺師の手口という思い込みがあるので、多くの人手が介在する郵送がより安全という言葉に疑いを持たない

関連項目[編集]

  • パニック障害 - 「現時点で自分はとても危険な状態にある」という誤った先入観を固く信じ込んだ結果、周囲にあるもの全てに不安を感じる発作が頻出する精神障害の一種。

外部リンク[編集]