田中博秀

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田中 博秀(たなか ひろひで、1932年[1] - 1994年[2])は、労働官僚、労働経済学者[3]

経歴・人物[編集]

愛知県生まれ[1]。1956年3月名古屋大学経済学部経済学科卒業。同年4月労働省に入省。1965年経済企画庁総合計画局計画官補佐。1967年徳島県企画開発部企画課長[2]。1969年同部参事。1971年労働省労政局労働経済課長補佐[1]。1974年6月同課長。1977年1月労働省官房政策課長。1980年1月労働省統計情報部情報解析課長。1982年7月労働省労働研修所長。1985年4月中京大学商学部教授(労働経済論担当)。1987年4月経済学部新設と同時に同学部教授(労働経済論担当)[2]

労働経済課長時代、「労働白書」執筆担当課長を務めた[2]。同時に法政大学など[4]、複数の大学で現代雇用論の講義を担当した[2]。著書に『生涯雇用革命』『現代雇用論』などがある。

労働政策研究・研修機構客員研究員の濱口桂一郎は、「ジョブ型」「メンバーシップ型」という言葉は自分が作ったが、その概念自体は多くの労働研究者が練り上げてきたものであり、その中でも田中博秀から強い影響を受けたと述べている[5]

著書[編集]

  • 『サラリーマンの生きがい――日本人は働きアリか』(毎日新聞社[エコノミスト・シリーズ]、1972年6月)
  • 『高齢化社会の衝撃――雇用・人事・賃金はどう変わる』(ダイヤモンド社、1977年11月)
  • 『雇用慣行の日米比較――実証的雇用制度論』(日本生産性本部労働資料センター[生産性労働読本]、1978年2月)
  • 『生涯雇用革命――日本的経営の再建をめざして』(ダイヤモンド社[80年代選書]、1979年1月)
  • 『これからの賃金雇用管理――日本型労働経済の仕組み』(産業労働調査所、1979年7月)
  • 『現代雇用論』(日本労働協会、1980年6月)
  • 『解体する熟練――ME革命と労働の未来』(日本経済新聞社、1984年7月)
  • 『日本的経営の労務管理』(同文舘出版、1988年12月)

出典[編集]

  1. a b c 田中博秀『生涯雇用革命』ダイヤモンド社、1979年
  2. a b c d e 楠恭雄「田中博秀先生追悼号に寄せて」『中京大学経済学論叢』7号、1996年3月
  3. 猿田正機「ある労働経済学者との出会い―田中博秀先生を偲んで―」『中京大学経済学論叢』7号、1996年3月
  4. 麻生誠、米川英樹編集・解説『現代のエスプリ No.196』至文堂、1983年
  5. 濱口桂一郎『若者と労働――「入社」の仕組みから解きほぐす』中央公論新社[中公新書ラクレ]、2013年8月、26頁

関連文献[編集]

  • 「田中博秀先生略歴・主たる業績」『中京大学経済学論叢』7号(中京大学経済学部、1996年3月)
  • 濱口桂一郎『日本の雇用と中高年』(筑摩書房[ちくま新書]、2014年5月)