狂犬病
狂犬病(きょうけんびょう)は、別名恐水病とも呼ばれる、犬や猫や牛などの家畜、まれに人間やコウモリが媒体して起きる疾病。感染症法では四類感染症に指定されている。病原体は砲弾型の狂犬病ウイルスで、嚙まれたり粘膜に触れることで感染する。発病後の致死率がほぼ100%(全身麻酔を行なうことで、二人は生還したという)という恐ろしい病であり、最も致死率が高い病気の一つとしてギネス世界記録に登録されている。
概要[編集]
狂犬病に罹患した家畜に嚙まれる事で感染する。狂犬病ウイルスが脳に達するまで症状は現れず、その速度は非常に遅いため、潜伏期間は長い。この間に予防接種をしていれば助かるが、発症してから生還した患者はごく一部しかいない。発症後はまず助からない。南米では狂犬病に罹患した吸血コウモリの糞を吸い込んだだけでも発症する。
経過[編集]
潜伏期間が終わると、水を嚥下しようとすると咽頭が痙攣して上手く呑み込めなくなり、水を怖がるようになる恐水症状が現れる。やがて、風や光などちょっとした刺激でも痙攣をおこし口から泡を吹くようになる。それらの症状が続いて衰弱して死ぬ。
予防方法[編集]
フランスのルイ・パスツールが開発したワクチンが存在する。基本的に犬を通して罹患するため、飼い犬の狂犬病予防注射を徹底することで予防が可能である。日本の場合は島国なので根絶できた。海外は大陸なので根絶は不可能に近い。罹患した野生動物は狂騒状態となり人間に近づいてくることがあるため、海外旅行で人懐こいアライグマがいたら注意するに越したことはない。なお、最近ではハムスターの狂犬病が発見された。
治療[編集]
特効薬は存在せず、前述の通りほぼ救命は不可能だが、近年ミルウォーキー•プロトコルと呼ばれる治療法が研究されている。この治療法は患者を昏睡状態にしてウイルスを死滅させる時間を稼ぐもので、治療費の高さや後遺症などの問題はあるものの、治療を受けた患者のおよそ1割にあたる6人が回復している。(おお、知らんうちに生還者が四人増えている。)
余談[編集]
狂犬に噛まれた父親が堤防の水位が上がっていて洪水の危険性を訴えるが、家族は恐水病の症状だと思って取り合わないというパニック映画があった。