無料低額宿泊所
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無料低額宿泊所(むりょう・ていがくしゅくはくじょ)とは、社会福祉法に基づき、生活困窮者のために無料または低額で滞在場所を提供する施設のことである。
厚生労働省の調査によると、平成27年(2015年)6月末で全国537施設に1万5600人が入所し、このうち90.7パーセントが生活保護受給者であった。4割は65歳以上で、6割が1年以上利用していたという。滞在期間が1年を超える入所者は全体の58.8パーセントを占め、自立できずに入所期間が長期化する傾向が見られている。いわゆる生活が苦しくて行き場のない高齢者の「ついのすみか」となりつつある。運営主体はNPO法人が多い。設置に当たっては都道府県などへの届け出が必要で、立ち入り調査なども行なわれる。
平成29年(2017年)9月に、千葉県市川市北方町のNPO法人が経営する無料・低額宿泊所で入所者の当時84歳の女性を暴行して死なせたとして、施設長の女(当時55歳)が逮捕される事件も起きている。
平成30年(2018年)7月末の調査では、569か所、約1万7000人で施設数と利用者数が共に増加し、劣悪な施設にも関わらず、高額な料金を生活保護費から徴収する悪質な事業者の存在も指摘されている。
この宿泊所の中には悪質な事業者が生活保護費から高額料金を受け取る「貧困ビジネス」も存在しており、国は最低基準を設けるなど規制を強化する動きもある。