殺人未遂

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

殺人未遂(さつじんみすい,英:Attempted murder)は、人を殺すつもりで殺そうとしたが死に至らなかったことである。

刑法[編集]

殺人未遂の刑期は、死刑または無期もしくは5年以上の懲役であるから、重罪といえる。未遂罪では刑法第43条前段により、裁判官の任意で刑が減軽されることがある。よって5年未満の懲役になる可能性もある。

  • 第199条
    • 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。
  • 第201条
    • 第199条の罪を犯す目的で、その予備をした者は、2年以下の懲役に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。
  • 第203条
    • 第199条及び前条の罪の未遂は、罰する。

構成要件[編集]

構成要件は2つである。

  • ①「殺意の有無」
  • ②「行為の危険性」

殺意[編集]

殺意とは人を殺害しようとする意図である。死んでも構わないという程度の意図でも殺意となる。四肢以外の身体部分に対する攻撃など死亡の危険性が非常に高い行為をいう。刃物で人の身体(腹、背中、頭など)を刺した場合は殺意があると認定される。殺意があることが証明がされない場合は、殺人未遂では無罪となる。殺人罪・殺人未遂罪は「動機犯」といわれるため、動機の内容や、殺害を決意するに至った経緯などが重要視される。 殺意の有無が争点になる場合、裁判所が着目する点は、次の通りである。これらは量刑や有罪無罪の認定にも影響する。

  1. 凶器利用の有無
  2. 凶器の危険性の程度
  3. 創傷の部位・個数
  4. 創傷の程度
  5. 犯行時の被告人と被害者の行動
  6. 犯行前の被告人の言動
  7. 犯行後の被告人の言動
  8. 被告人の動機
  9. 計画性
  10. 共犯関係
  11. 被害者との関係

行為の危険性[編集]

殺人罪の実行行為であることが必要である。人を死に至らしめるに足りる、危険性の高い行為を行う事である。人の頭部や胸部等、身体の枢要部に向けて刃物などで攻撃を加えた場合は、人を死に至らしめる可能性が高いとして行為の危険性が認められる。

再犯の可能性[編集]

加害者の前科や反省の有無、身元引受人の有無などが考慮される。