正文批判

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正文批判とは、「聖典をどこまで字義通りに解釈してよいのか?」について研究する学問。「テクストクリティーク」とも呼ばれる。

概要[編集]

たとえば、「モーゼ紅海を真二つに割った」というのは、潮汐の激しい紅海の奥にある「葦の海」で、干潟を渡ったという説があり、実際にナポレオンが馬で渡ったという伝承がある。「駱駝が針の穴を通るほど難しい」も「駱駝」と「繩」の音が似ているための誤訳であったとする説がある。
ここから「聖典には隠喩も含まれており、誤訳なども入りこんでくるため、『聖典を字義通りに解釈してよいのだろうか?』」という疑問が出発点となった学問である。イスラム教では聖典を翻訳したものは聖典とは認めないので、正文批判という学問そのものが成立する余地がなかった。

影響[編集]

この分野において、もっとも影響の大きい人物は、ジョン・レノンである。
楽曲「イマジン」において、「天の国は近づいた。汝ら悔い改めよ」を訳すにあたって、「天の国はもう来ている(過去完了形)。そう考えなさい(命令形「イマジン」)」とした。[1]
日本国内では、田川健三が知られている。

参考文献[編集]

脚注[編集]

  1. なお、「洗礼のヨハネ」も英語では「ジョン」である。ちなみにジョンもポール(パウロ)も十二使徒のメンバーであり、ジョージは聖人(聖グレゴリウス)ではあるがリンゴは知らない。ウーピー・ゴールドバーグの『天使にラブソングを』の冒頭にこのネタが出てくる。