栃木県那須町高校生スキー場雪崩死傷事故
栃木県那須町高校生スキー場雪崩死傷事故(とちぎけんなすまちこうこうせいスキーじょうなだれししょうじこ)とは、平成29年(2017年)3月27日に栃木県那須町のスキー場である那須温泉ファミリースキー場付近で発生した雪崩で登山講習会に参加していた栃木県の高校生らが巻き込まれ、栃木県立大田原高校山岳部の生徒7名と同高校教員1名の合わせて8名が死亡し、重傷者が2名、負傷者は死亡者8名などを合わせて48名出た事故である[1]。
概要[編集]
2017年3月27日午前9時20分頃、那須温泉ファミリースキー場付近で雪崩が起きたと110番通報があった。事故にあったのは大田原高校の男子生徒と山岳部顧問であり、これらのうち生徒7名と顧問1名が死亡した。講習会は県立高等学校体育連盟が主催し、3月25日から2泊3日の日程で県内の高校7校(大田原高校生徒12、教員2。栃木県立宇都宮高校生徒13、教員1。栃木県立真岡高校生徒8、教員2。栃木県立真岡女子高校生徒4、教員1。栃木県立那須清峰高校生徒4、教員2。栃木県立矢板東高校生徒7、教員1。栃木県立矢板中央高校生徒3、教員2)が参加していた。3月27日には午前7時30分頃から5つのグループに分かれて活動し、大田原高校のグループに被害が出たとみられている。事故はゲレンデ上部付近の林に入り、積雪をかき分けながら歩く練習をしていた際に起こったとみられている[1]。
雪崩が起きた現場は3月20日に今冬の営業を終了したスキー場の第2ゲレンデ上方とみられ、斜面に積もって固まった雪の上に新たな雪が降り積もると、上の雪が崩れる表層雪崩が起きやすくなるが、この表層雪崩に巻き込まれたのではないかとみられている。表層雪崩は時速100キロから200キロのスピードで起こる。なお、気象庁は3月27日午前1時現在は0センチだった積雪が9時頃には33センチを観測しており、3月26日の時点で雪崩注意報を出していたというが[1]、講習会は27日の日程を行なった模様である。
専門家の話ではスキー場のゲレンデは安全な場所と思われがちで実は雪崩が起きやすい斜面であり、春山登山の練習に当たっては日常と状況が全く違うという意識が欠かせず、引率者は相当な経験を積んでいなければならないし、まずは安全な場所で練習するべきだったと談話を発表している[1]。栃木県教育委員会によると栃木県高体連主催の登山講習会は記録が残っている限り約50年前から茶臼岳周辺で行なわれており、大きな事故はこれまで1度もなかったという。同様に那須温泉ファミリースキー場でも近年は怪我人を伴う雪崩が発生した記録は無かったという[1]。
亡くなったのはいずれも栃木県在住の16歳の4名、17歳の3名、教員の29歳であるという。