木製多宝塔 (三渓園)
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多宝塔(たほうとう)は建築としての多宝塔を忠実に縮小して舎利容器を置するための木造小塔の舎利殿である。本項では三渓園内の木製多宝塔について説明する。
概要[編集]
瓦や木組みなど細部にいたるまで木造で精密に再現した、建造物のミニチュアである。基壇上に裳階をつけ、蓋上に相輪を置いた方形多宝塔形の木製彩色舎利塔である。 下層天井にはめ込まれた板に墨書銘があり、それによれば南都住の大工により1450年(宝徳2年)に造立され、また安置された舎利容器は蓮台火焔水晶宝珠の容器であったことが記される。大工・絵師は奈良の大乗院に関わるもの、奉行は興福寺に関わるものであった。1450年(宝徳2年)3月20日に工事を開始し、5月5日に完成した。銘文は11月15日であるため、このころ供養が行われたと考えられる[1]。時代的特色が現れている。
多宝塔は1905年、奈良法隆寺門前の古美術商である今村甚吉によって三溪のもとに届けられたとされる。
基本事項[編集]
- 名称:木製多宝塔
- 製作年代:室町時代前期 1450年(宝徳2年)銘
- サイズ:総高88.0、基壇高10.5、基壇方28.2、軸高14.2、軸方16.3、屋蓋(下層)方34.0、(上層)26.0、相輪高23.5(㎝)
- 指定:重要文化財
- 指定日:1963年7月1日
リンク[編集]
リファレンス[編集]
- ↑ 平井聖・大岡信(1993)『三渓園』新潮社