明日のナージャ
明日のナージャとは、テレビ朝日系列にて2003年2月~2004年1月まで放送していたテレビアニメ。
概要[編集]
本作は女児向け劇場として制作され、担当プロデューサーが90年代前半に構想として描いていた作品がアニメ化された物である。前作まで4年間続いたおジャ魔女どれみシリーズのスタッフの疲労限界から、2003年は別のアニメとして放送する事が決まったのが、明日のナージャである。
商業面[編集]
放送開始後、視聴率は低下の一途を辿った。作中の中盤には6%となるなど、子供向けアニメの平均視聴率が10%を記録していた2003年当時としては最低記録をたたき出す事態にまでになった[注 1]。後半のテコ入れで少しは上がったが、それでも7%止まりとなり、尚且つ玩具売上もその年のバンダイの業績に影響を与えたことから、14年間担当していたスタッフ及びプロデューサーが責任を持ち、降板人事が行われ、2004年度から今も続く長寿作品ふたりはプリキュアシリーズへとバトンタッチすることになった。明日のナージャが低迷していた理由としては、ストーリーが青年向けで小さい子供達には理解不可能な物語であったこと、玩具も子供達の心を掴む使用でななかったことが挙げられる[注 2]。
まとめ[編集]
国内では商業面で不利となってしまったが、海外で上映した所、人気が上がり、吹き替え版も放送された。本作はそこそこ成功したという見方もある。しかし、平成版名作劇場を目指した結果、子供達には見向きもされなくなり、『本作は失敗作だった』とスタッフ達は悔やんでいた。その反省から、プリキュアシリーズは「子供騙しな作品は作らない・子供達や保護者にそっぽ向かれたらプリキュアシリーズは終わる」という強い緊張感を持って制作に取り組んでいる。2023年現在ではナージャは大人を中心に密に人気を集めている。
2022年の取材[編集]
2022年に本作について取材を受けたスタッフは次のようにコメントを残した。
「ナージャは出るのが早すぎたんですよね。時代が追いついていなかった。令和の今は鬼滅の刃や呪術廻戦、進撃の巨人といったダークヒーローの重い作品が子供達にもヒットしていますが、2003年当時は、平成不況の真っただ中だったので、物語が重いダークヒーローアニメ作品はまだ存在しておらず、『ぴちぴちピッチ』・『とっとこハム太郎』・『ミニモニ。』・『ミルモでポン!』・『満月をさがして』・『東京ミュウミュウ』という明るくポップな少女向け原作アニメと『夢のクレヨン王国』・『おジャ魔女どれみ』の様な夢のあるオリジナル作品が人気を博していた時代でしたから、ナージャは世に送り出すタイミングを間違えたんです。令和に放送していたら、確実に本作の人気は出ていたと思います」とコメントをし、さらには「ナージャのテレビアニメの続編と同時にメディアミクス展開を望まれる方もいらっしゃると思いますが、現状ではかなり難しいですね...。少し前に続編となる小説版は出ていたのですが、少子化と、令和の今、名作アニメ劇場は時代に合っていないのと民放では殆どやらなくなってしまい、板挟み状態です。深夜に放送するといっても、利益が出るかどうか不安定な所があります。スポンサーの付かないNHK教育テレビにて放送するのもありはありなのですが、今の所では本作品の利益が見込めないため、メディアミクスをする予定はありません。過去にDVDと玩具の売上を確認しましたが、プリキュア人気に押され、余り売れていないという大きな壁にぶつかった経験がありまして...もう売れない作品なんだなと認識していました。ナージャは元々女児向け作品でしたが、作中には女児向けらしかならぬシーンもあったため、『物語が子供達には受け入れられなかった』ことがとても後悔しているんです。これは今考えてみたら、大人向けに制作していたことになりますね。本来のターゲット層から外れてしまったストーリーのせいで、視聴率も玩具の売上も低下してしまったと。玩具関連については当時、海外に発注を頼んでいたのですが、海外ウイルスが流行っていた影響で、出荷台数も絞られて、量産体制が間に合わくなり売上が低迷していたことも本作の人気を下げる要因となりました。ウイルスが流行っていたのは仕方ないことでしたが、視聴率関連の影響で私達は降板せざるを得なかったんです。14年間続いたアニメ制作現場から離れることになり、未練が残っています。しかしながら近年、本作は数年前から配信を行っていて、多くの方から再評価を頂けており、嬉しい限りです。やっと時代が追いついたと感じましたが、本作は子供達のどういった物が人気なのかを調べなかった私達のリサーチ不足であり、事実上、失敗作扱いなんです。関係者の中では『ナージャは出すのに数年遅かった』というスタッフもいたんです。確かに、当時の女児向けアニメは既に名作劇場シリーズは終了し、おジャ魔女どれみの様な、魔法少女アニメが人気を博していた時代でしたから、当時のプロデューサーが90年代前半に本作品の構想を長期に渡り温めていたことも要因となりました。もし、90年代前半に放送していたら、確実に人気は出ていたとは思います。本作について東映さんからは2002年に「どれみのスタッフ達がおもちゃの売上に敏感で疲れてしまったので、ナージャは玩具売上などは気にせずに自由に作ってみてはいかがでしょうか」という提案から本作の企画がリスタートし、本来であれば2年構想であり、スタッフ達は売上に左右されない比較的自由に作りさせて頂きました。この売上を気にしない手法は今となっては時代を先取りし過ぎていましたね...。本来であればナージャは2000年の放送を予定していたのですが、どれみが予想以上に人気が出て、本作の計画は3年延期されました。また、バンダイからの商業主義にも敏感だったのですが、「『どれみシリーズが人気が出ていたから、ナージャは2年構想で玩具出す』という考えがありました。結果として視聴率競争において他の作品に負けてしまい、2003年夏には売上不振により、1年目の放送に留まりました。私としては、出るのが早かったと感じていましたが、関係者はむしろ遅すぎたという認識で、どちらにせよ、世に送り出すタイミングを完全に間違えました。商業面で失敗し、スタッフの中には『2003年という平成不況の中で暗いストーリーは当然受け入れられなかったことは確か。時代が違えば深夜枠で受け入れられていたのかもしれない』と言われたぐらいです。しかし、来年でナージャは20周年を迎えます。これは近年、ファンの皆様方が本作を再評価して下さっているおかげだと思います。当時の関係者からも「やっと時代が追いついた」と認識している位です。来年はアニバーサリーなので、何か記念になるものをしていきたいですね。あと、令和のナージャは商業でやっているわけではないので何かの劇もやりたいですね。
と語っていた。その後の2023年には20周年記念としてブルーレイ発売記念に第26話が東京MXにて放送され、トレンド1位になるなど話題になった他、朗読劇が公開予定など、明日のナージャは少しずつ時間をかけて世間から認められる形となった。