推しが死んだ朝

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推しが死んだ朝
漫画
作者 古屋兎丸
出版社 小学館
掲載誌 ビッグコミックオリジナル
レーベル ビッグコミックス
発表号 第5号(2024年5号)[1] -
発表期間 2024年2月20日[1]
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推しが死んだ朝』(おしがしんだあさ)は、古屋兎丸による日本漫画作品。『ビッグコミックオリジナル』(小学館2024年5号から連載中[1]。ビッグコミックオリジナル創刊50周年集中連載企画・第6弾である[1]

あらすじ[編集]

23歳のゆこりんは、18歳の2.5次元俳優・金森雅哉のファンになった。その日以来、雅哉を「推す」ことが生活の潤いであり支えであり、生き甲斐になった。推し活11年目のある日、雅哉が突然引退宣言をして消えた。ゆこりんは身体の一部をもぎ取られたような喪失感を覚える。この先二度と雅哉の活躍を見ることが出来ない現実を「“金森雅哉”という俳優は死んだ」と考えることで区切りをつけて受け入れた。そして楽しかった頃の思い出だけを胸に残した。
50年の月日が流れ、84歳になった“ゆこりん”こと吉村は、老人ホームの自室に雅哉グッズを飾り、独り静かに推し活ライフを楽しんでいる。
ある日、隣の部屋の利用者・稲森に若き日の雅哉の面影が重なり「雅哉本人ではないか」とハッとする。

登場人物[編集]

吉村(よしむら)
2年前に夫を亡くした84歳の女性。身辺整理をして川崎市老人ホームに終の棲家を得て1年前に入居した。穏やかな日々を送っている。
23歳の時に2.5次元舞台に出演していた5歳年下の新人俳優・金森雅哉の演技に魅入られ「一生推す」と決意した。雅哉が出演する舞台は漏れなく足を運び、各種イベントにも参加。ネット配信では高額の投げ銭をして応援する、いわゆる「推し活」に情熱を注ぎこんだ。34歳の時、雅哉が俳優業引退を表明した。それは正に青天の霹靂で驚きや悲しみ、言いようのない怒りと淋しさが綯い交ぜとなり、にわかに受け入れることが出来なかった。新たな推しを見つけようとも考えたが虚しい抗いに過ぎず、寧ろ雅哉への熱い想いをはっきりと自覚するだけだった。二度と逢えない現実と向き合うために「雅哉はファンを捨てて引退したのではなく、突然死んでしまったため姿を見ることが出来なくなった」と考えることにした。しかし、計り知れない喪失感はずっと胸に空虚な穴を開けたまま、塞がることはなかった。
およそ50年が経った今、雅哉が幼少期を過ごした川崎市で余生を送ろうと老人ホームを探した。部屋の一角には一度は封印した推しグッズを飾る祭壇を設けて、イベントで撮ったツーショット写真やアクリルスタンドなどを飾っている。雅哉の過去のスケジュールも忘れず記憶しており、舞台の上演時間に合わせてDVDを再生したり誕生日などのイベントごとにお祝いをする。目下、“ソロ推し活”続行中である。
隣室に入居している稲森の顔立ちや仕草が、かつて自分が推していた雅哉と重なり「本人なのでは?」と胸が騒ぐ。稲森の胸に雅哉と同じホクロを確認して以来、色めき立つ。
稲森 了(いなもり りょう)
吉村の隣室に入居している男性。79歳。白髪をワイルドに伸ばしたチョイ悪おやじの風体。実姉も手を焼く自堕落な生活態度でいつもアルコール臭を漂わせている。施設においても協調性に欠け、職員や他の利用者に悪態をついている。
金森 雅哉(かなもり まさや)
俳優。主に2.5次元舞台を中心に活躍。初舞台は18歳の時、漫画「剣風伝説」を原作とした作品であった。その後、めきめきと頭角を現し、主要キャラを任されるまでに成長。精悍なルックスも相俟ってアイドル的な人気を得た。順風満帆な活動を続けていたが、29歳の時、突然引退。以降の消息は不明である。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. a b c d 古屋兎丸が描く推し活と終活…BCオリジナル新連載「推しが死んだ朝」Webでも読める”. コミックナタリー. ナターシャ (2024年2月20日). 2024年2月25日確認。

外部リンク[編集]