怒首領蜂大復活
怒首領蜂大復活(どどんぱちだいふっかつ)とは、ケイブが開発し、エイエムアイが販売して2008年5月に稼働されたアーケードゲームである。
概要[編集]
『首領蜂』シリーズは、前作の『怒首領蜂大往生』で完結した、とされていたが、会社の都合により大復活させる事となった。基本システムの多くは『大往生』を踏襲しており、『怒首領蜂』以来の大佐、「Bヘリ」にあたる機体の登場、『怒首領蜂』や『大往生』のボスの再登場など、ファンサービスが詰め込まれた意欲作である。
ストーリー[編集]
「 | ”大往生”したなどと誰が決めたのか。
ルナポリスでの大規模な戦闘行為が終結して、 6年後のある日、月の首領蜂隊本部は時空の微細な乱れを感知する。 時空間を移動するジャンプゲートが作動する際に発生する、些細な時空間の乱れ。 だがその、ほんの微細な時空の乱れに隠れる違和感に 気付かない大佐ではなかった。 その違和感を辿る事は困難を極めたが、 何者かが過去に大量に沢山の物資を送っていた事を突き止める。 …そのものは膨大なデータの海の中に残っていた、 始めはウィルスのようなわずかなプログラムだったモノ。 時間をかけて自己増殖し、進化した者。 さらにそのプログラムを解析する首領蜂隊。 出自を特定するパーソナルコードは あろうことかエレメントドール・エクスイのそれであった…。 大佐は不快感を隠せなかった。 歴史を書き換えるなどありえない。 人類を護るために、いや、我が無敵の軍隊を護るために、 完璧を目指す過程で生まれた排泄物によって作られたヒトガタに そんな小癪なことはさせはしない。 また、密かにこうも思った。 「過去からやりなおす…。その手があったか。」 緊急出動する首領蜂隊。 次々とジャンプゲートよりエクスイを追って過去に飛ぶ。 だが敵も追撃は想定していた。 ジャンプゲート内より始まる戦闘。 予想以上に激しい戦闘になり、過去に辿り着けたのは母艦1艦と艦載機が数機。 越えた先の時間は、2008年 5月 日本。
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」 |
—怒首領蜂大復活公式サイト([1]より) |
ゲームシステム[編集]
3つの機体及びショットスタイルから、それぞれ一つを選んでゲームを開始する。
機体[編集]
- Do-NX-SF-25B Struggle Fighter "Deltasword"
- シリーズお馴染みの攻撃前方集中型の赤い機体。本作では、基本的に『大往生』のType-A機体ベース。移動速度が3機の中では最速。攻撃範囲が狭いが、高い火力のショットを誇る。また、前方で回転するオプションも特徴。ただ、これまでの作品と同じく、オプションが回転する事によってショットの射角が不安定になり、狙った所に当てづらいという難点もある。
なお、本作では残りの2機が強すぎて若干要らない子扱いされる事も。 - Do-NX-AH-16B Assault Helicopter "Biaxe"
- 『怒首領蜂』以来の登場となる緑色の戦闘ヘリ、通称『Bヘリ』。移動方向に応じてショットの射角が変化するという特性も健在。移動速度は中間。稼働初期のバージョン(後述)では、使用にはコマンドによる解禁が必要だった。
- Do-NX-FB-72D Fighting Bomber "Spearhead"
- こちらも『怒首領蜂』以来の登場の青い戦闘機。移動速度が3機の中で最遅。他機体と比較して、レーザーの威力が低い。
ショットスタイル[編集]
『大往生』では「エレメントドール」とされたが、『怒首領蜂』の「スタイル」に戻った。
- ボムスタイル
- オプション3個、移動速度は通常。筐体のBボタンを押下するとボムを発射できる。なお、『大往生』まで存在したレーザーボムは存在しない。ゲームスタート時のボム所持数は3個だが、ミス毎に所持上限が1個ずつ増えていき、最大で6個持てるようになる。
- パワースタイル
- Bボタンで「NORMAL」と「BOOST」の2つのモードを切り替える事ができ、「NORMAL」モードでは、オプションが2個あり、移動速度は普通。「BOOST」モードでは、オプションが4個あり、移動速度が遅い。性質上、ボムを使用する事ができない。ステージ上のボムアイテムを取得すればボムを1個持つ事はできるが、オートボム専用となる。
- ストロングスタイル
- コマンド入力によって解禁されるスタイル。オプションが6個あるという事以外はボムスタイルとの差異はない。他の2つは、何かを選べば何かを失う、といったものであるのに対し、こちらはそれぞれの良さを寄せ集めたようなものとなっているため、初心者にも使いやすいスタイルである。
なぜこれをコマンド解禁にした
ルート分岐[編集]
ステージ1の序盤で特定の条件を満たすと、特殊演出が入り、中ボスが『怒首領蜂』のものになる。更にその後のステージ展開が分岐する。これは「裏ルート」と呼ばれ、区別する目的で通常ステージは「表ルート」と呼ばれる。基本的に裏ルートの方が難易度が上がる。ステージ1で裏ルートに突入できれば、その後のステージでも自動的に裏に行ける。
涙と鼻水の二周目[編集]
『怒首領蜂』シリーズ定番の2周目が、本作にも存在する。本作では、表ルートと裏ルートで2周目の条件が異なる。
表2周目[編集]
- 蜂アイテム35個回収
- 1ミス以内かつ2ボム以内
の何れかを達成で突入。
裏2周目[編集]
- 蜂アイテムをすべて回収
- 1ミス以内
- 2ボム以内
の全てを達成で突入。こちらはステージ1から自動的に裏へ突入する。表2周目と比較してもかなり難易度が上昇しており、中でも、裏にのみ存在する真ボスの存在は大きい。
真ボス「]-[|/34<#!」[編集]
『大往生』までのシリーズ作品においては、2周目の真ボスの名前を「ヒバチ」と読ませ、作品毎に漢字を変えるという手法を取っていたが、本作では、なんとLeet表記によって、「HIBACHI」を、「]-[|/34<#!」と表している。本作の発表当時から、「ヒバチ」の漢字についてプレイヤー間で予想が行われていたが、流石、斜め上を行くケイブである。
肝心の攻撃は、4体目のヒバチということもあり、加減を知らない弾とレーザーの数、当然のようなボムバリアなど、かなりの高難易度。発狂では、放射状に放たれる大量のレーザーと弾、そしてふぐ刺しが特徴的。この攻撃は、通称「後光レーザー」とも。稼働初期のバージョンでは、後光レーザーには安全地帯が存在しており、撃破は比較的容易だったが、現在稼働しているバージョンでは全ての安全地帯が消滅してしまっている。
幻のVer.1.0[編集]
実は、アーケード版『怒首領蜂大復活』には、一般のゲームセンターにて稼働している(た)ものは「Ver.1.0」と「Ver.1.5」の2種類のバージョンが存在する。先述した「稼働初期のバージョン」が、このうちの「Ver.1.0」である。現在、ゲームセンターで稼働しているのは1.5であり、XBOX360版等を始めとした移植版に収録されているのも1.5である。また、1.5は1.0基板との交換によって稼働するものであるため、現在1.0をプレイするのは困難といえる。
余談ではあるが、ケイブのイベント向けに特別に作られた限定バージョンである「Ver.1.51」は、移植に収録されている。