怒首領蜂

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怒首領蜂』(どどんぱち)とは、株式会社ケイブ製の弾幕系シューティングである。

概要[編集]

1997年にアーケードゲームとして稼働を開始。発売元はATLUS(アトラス)。

「弾幕系シューティング」の元祖と言ってもいい作品であり、

  1. 画面表示可能数ギリギリの夥しい弾幕
  2. それでいて遅く、パターンの存在する敵弾の動き
  3. 極端に小さい自機の当たり判定
  4. 性能の違う二種類のショットと弾を消すことができるボム

といった現在の弾幕系シューティングにおいて標準装備となっている機能を搭載、縦スクロールシューティングゲームの在り方を大きく変えた歴史的な一作。現在も続編が作られており、2013年現在、最新作の「怒首領蜂大往生」がアーケード(以下AC)にて稼働中である。

ストーリー[編集]

(PS版の説明書より)

昔、大きな戦いがあった。
その戦いは反乱や侵略戦争などではなく、自分達の軍隊を、
より強くするために行われた演習戦争という極めて異質なものであった。
やがて、7年にもおよんだこの戦いにも終わりが訪れ、 勝ち残る事のできた最強の兵士達を、
人々は『首領蜂』(首領の命令に従うのみの働き蜂)と呼び、 さげすんだ。
・・・そして時がすべての罪と過去を洗い流してしまった頃・・・
星団系外を周回していた我が第七星団艦隊が、突如連絡を絶った。
その直後、機械化惑星人と名乗る未知の軍隊が我々に攻撃を仕掛けてきた。
我が軍もこれを迎撃すべく大艦隊を派遣するが、 ことごとくレーダーから消されていった。
状況は日々悪化していき、誰もが絶望の顔色を隠せなくなった時、一つの作戦が持ち出された。
その仕掛け人は、シュバルリッツ・ロンゲーナ大佐。我々が首領と呼ぶ切れ者司令官だ。
「私の目に狂いはない。」
この高慢な一言が首領おきまりの第一声だ。
「今日集まってもらった君達は、私の作戦にもとづき、
この新型超最強撲滅戦闘機(DO-N82)に乗って、 敵、機械化惑星人を打ち砕いてもらう。」
首領の命令は絶対だ。
納得いく理由も説明されず、我々はたった二機の戦闘機のみで立ち向かう事になった。
これが働き蜂の運命とするならば、あまりにも無慈悲であった。

自機の攻撃方法[編集]

ショットとレーザー[編集]

連射可能なショットと発射中は移動速度が低下するレーザーの二種類が存在する。そのうちレーザーは同一の敵に当て続けることで連続撃破数(以下、コンボ)が途切れないという特徴がある。

ボム[編集]

レーザー発射中に使用するレーザーボムとそれ以外の通常ボムがある。通常ボムを使用すると画面上の敵弾がすべて消え、同時に自機はしばらく無敵状態となる。画面上の敵にはわずかにダメージを与え続けるため、ザコの一掃にも一役買う。レーザーボムは使用すると自機から極太のレーザーが放たれ、命中した敵に大ダメージを与える。更に、ボス戦時において、ボスHPゲージが赤い時にレーザーボムを当てると、コンボが跳ね上がる。

自機とスタイル[編集]

ゲームが始まると、まず三種類の機体と二種類のスタイルから一つずつ選択することになる。

自機[編集]

Type-A
赤色の戦闘機。移動速度が速い、アドリブ重視の機動性能を持つ。オプションは自機の前方に弾を発射する直進型で、ザコの掃討が苦手だが、中型機以降の処理にはめっぽう強い。
Type-B
緑色の戦闘ヘリ。移動速度はAとCの中間。オプションは自機の移動方向に射角を偏向するもので、プレイヤーの任意で攻撃方向を決められる。
Type-C
青色の戦闘機。移動速度が遅い、精密性重視の機動性能を持つ。オプションは自機から扇状に弾を発射する拡散型で、ザコの掃討が得意な半面、レーザーとの使い分けが不可欠である。

スタイル[編集]

ショットとレーザーの二種類のうちどちらかを強化することができる。ショットの場合、自機弾が横二列となり、連射性能も上がる。レーザーはザコ敵を貫通するようになり、移動速度も上昇する。ミスした場合、強化した側は一段階パワーダウンし、もう一方は初期状態まで戻される。

狂気と鬼畜の二周目[編集]

全てのステージをノーコンティニューかつ

  1. ミスが2回以内
  2. 五千万点以上獲得
  3. 最大コンボがType-Aで270Hit、Type-Bで300Hit、Type-Cで330Hit以上

のいずれか一つの条件を満たすことで、より難易度の高い二周目モードをプレイすることができる。

そして、二周目の最後に待ち受けているのが、「最終鬼畜兵器・蜂」である。この時の大佐のセリフの中に出てきた「死ぬがよい。」は怒首領蜂シリーズを代表する名言である。弾幕シューティングの概念がなかった当時としては最多の弾数がプレイヤーに与えるインパクトは凄まじいものがあった。これを倒すと、第二形態にして真ボスの「火蜂」が出現するようになる。第一形態を超える弾幕に加え、ボムを使うとバリアを張り、自機からの攻撃をガードする[1]というどこまでもサディスティックな仕様。そして、ボスHPが半分以下になると繰り出す驚異の発狂攻撃・・・・・。弾の形からフグ刺しとも呼ばれる弾幕は名前だけ聞くと「美味し」そうだが、実際にプレイしたり動画サイトで見る限りだと、実際は「美味死」い弾幕である。

ちなみに攻略方法について開発者に質問した人がいたが・・・・・・。

Q、大佐蜂が落ちてくれません。どうしたらいいですか?(男性32歳)
A、攻撃を与えつつ、気合で避けてください。

これが「気合避け」と言う業界用語[2]の由来になったといわれている。

コンシューマー版[編集]

セガサターン版と、PS[3]が発売された。「AC版と得点アイテムの取得音が違う」「AC版でつながったコンボがつながらない場面がある」などの違いはあるが、基本的にはAC版を忠実に移植した出来となっている。セガサターン版には、ハイスコアアタックキャンペーン優勝者のために一つだけ製造されたスペシャルバージョン、通称青蜂がある。難易度がさらに引き上げられていることに加え、ハイパーシステムの原型[4]など、後継作「怒首領蜂大往生」のシステムの基礎となるシステムが盛り込まれている。PS版については、PSストアのゲームアーカイブスで発売されている。PSVita等を持っている人はこれを機会に、弾幕シューティングの元祖に触れてみてはいかがだろうか。

脚注[編集]

  1. ちなみにミス時の無敵状態中でも同様にバリアを張る。どうしろと言うのかこの所謂「ボムバリア」は、その後CAVE製の他の新ボスにも搭載されるようになる。
  2. 敵弾の軌道パターンが読めない、そもそも存在しない弾幕を、己の気合と根性と反射神経を頼りにかわすこと。
  3. 開発はSPSと言う会社が手掛けている。
  4. 敵を攻撃すると、あるゲージがたまり、それがMAXになるとコンボが途切れなくなり、ヒット数が二倍となる。