尚歯会

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尚歯会とは、「年長者の経験に学ぼう」という名目で開かれる、同好の士の宴会/飲み会(饗宴/シンポジウム)をいう。「尚」は「大事にする」、「歯」は年長者をいう。
「蛮社の獄」で有名であるが、もともとは白居易(白楽天)が開いた詩作の同好会である。

概要[編集]

蛮社の獄で有名な"尚歯会"は、蘭学などに興味のある同好者の集会である。いちおう、「年長者を上座に据える」という形で体裁を整えていた。現在では、学会の総会などの後に開かれる、いわゆる「懇親会」などがそれに近いと思しい。普段ろくな飯も食っていないような若手研究者に、腹いっぱい飯を食わせて酒を飲ませ、気が緩んだところで「こいつは見どころがありそうだ」という奴に声をかけ、連絡先の交換をするという年寄りの趣味の一環であり、若手は若手で普段は議論の相手がいないので鬱憤が溜まっているのでそれを解消できて栄養補給もできるし酒も飲めるという、ある意味互恵会である。
年寄りは食が細いので、主に若手が集まってきて質問会みたいなことになる。会費は「持ってる奴が払う」という丼勘定であることが多い。世話人(主催者。コンファレンスや学会の総会などでは幹事)がプールしておいて帳尻を合わせることもあったようで[1]、「無尽講」「頼母子講」に類するものであったようである。ときに「奨学基金」でもあったらしい。

本義[編集]

人間の永久歯が生えそろう年齢になると、歯神経はほぼ不要になるが、現代のように「永久歯が生えそろった後に何十年も生きる」という事態を想定して人体はできているわけではない。そのため老化すると歯が抜けるというのが一般的な認識である。
それゆえ、「歯」は「人生経験」の象徴とされており、「先人の経験に学び、先達としよう」ということで「尚歯」という言葉が成立したらしい。

現在[編集]

どういうわけか、現代にもオタク業界には文化として残っている。
アニメや特撮番組、劇場映画などを「その時代に、ライブで観た」というのはやはりヲタクとしては誇れるものもあり、「語り部」的な存在とされて一目も二目も置かれる。すさまじい例としては、DEC 10 プロログの開発者である中島秀之氏に「中島さん、『ガンダム』ファンだったんですね」と話しかけたら「キミは違うのか」と言われて「あぁ、ヤマトファンですから」「第一回放映組か」「そうですけど」「おれはあのとき留学してたんで、第一回放映組にはコンプレックス(劣等感)があるんだ」と仰っていた。
「その時代に、その体験を、共有していた人々の対する畏敬の念」というのはあるのだが、「全共闘世代」という例外があるのでややアンダーグラウンドな感覚ではある。

脚注[編集]

  1. ソフトウェア業界では、「椿山荘事件」が知られている。