小川公代
ナビゲーションに移動
検索に移動
小川 公代(おがわ きみよ、1972年 - )は、英文学者。上智大学外国語学部英語学科教授。専門はロマン主義文学、医学史[1]。
経歴[編集]
和歌山県生まれ[1]。「和歌山の老舗ウルトラ英語学校」の家に生まれ、高校時代は智弁学園でチアガールをしていた[2]。1995年ケンブリッジ大学政治社会学部卒業[1][3]。グラスゴー大学博士課程修了(Ph.D.)[1]。2004年上智大学嘱託講師、2007年専任講師[4]。上智大学外国語学部英語学科准教授を経て、2019年教授[5]。
2020年に『群像』に「ケアの倫理とエンパワメント」を連載、2021年に『ケアの倫理とエンパワメント』(講談社)として刊行し、注目を集めた。ヴァージニア・ウルフ、オスカー・ワイルド、三島由紀夫、多和田葉子、温又柔、平野啓一郎などの作品を読み解き、「ケアをすること」の意味を探ったもの。刊行後のインタビューによると、もともとケアに関心を持っており、大学生時代にキャロル・ギリガンの『もうひとつの声』を読んでケアを肯定的に捉える視点を学んだという。その後、ケアの研究はしなかったが、『群像』の編集長からフェミニズムや本質主義に関する執筆の相談をもらったとき、ギリガンの「ケア」の概念を使おうと思ったという。フェミニズムについて「いつも尊重したいと思っているのは、いわばリベラル・フェミニズムの立場です」とし、ギリガン以外のケアの倫理論者としてジョアン・C・トロントと岡野八代を挙げ、「彼女らのケア・フェミニズムを広めたら、女性はもっと生きやすいんじゃないかと思いました」と語っている[6]。
著書[編集]
単著[編集]
- 『ケアの倫理とエンパワメント』(講談社、2021年)
- 『世界文学をケアで読み解く』朝日新聞出版、2023.8
- 『ケアする惑星』(講談社、2023年)
- 『ゴシックと身体 想像力と解放の英文学』松柏社 2024
共著[編集]
- 『文学理論をひらく』(木谷厳編著、生駒久美、霜鳥慶邦、高村峰生共著、北樹出版、2014年)
- 『文学とアダプテーション――ヨーロッパの文化的変容』(村田真一、吉村和明共編、春風社、2017年)
- 『文学とアダプテーション2――ヨーロッパの古典を読む』(村田真一、吉村和明共編、春風社、2021年)
- 『パンデミックを超えて』(斎藤幸平、栗原康、高橋源一郎共著、NHK出版[教養・文化シリーズ. 別冊NHK100分de名著]、2022年)
- 『感受性とジェンダー 〈共感〉の文化と近現代ヨーロッパ』吉野由利共編, 河野哲也 [ほか] [執筆]. 水声社, 2023.3
訳書[編集]
- シャーロット・ジョーンズ『エアスイミング』(幻戯書房、2019年)
- サンダー・L.ギルマン『肥満男子の身体表象――アウグスティヌスからベーブ・ルースまで』(小澤央共訳、法政大学出版局[叢書・ウニベルシタス]、2020年)