宴 (鉄道車両)

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は、JR東日本が保有していた鉄道車両。2019年に廃車回送がなされた。

概要[編集]

JR東日本東京地域本社では、「なごやか」・「江戸」の2編成のお座敷客車を保有しており、中・高年代層の団体輸送に使用されてきた。だがこの2編成ではまかないきれないほどの需要に追いつかず、申し込みを断るケースも多々あった。よって改造された車両。そのため、と違い置き換え用に製造されたわけではない。
落成時から2015年3月13日までは小山電車区(現・小山車両センター)に配置されていたが、翌14日に高崎車両センターへ転出となった。

車両[編集]

全てグリーン車。編成はG4+G5編成。
編成は以下の通り。こちらも江戸と同じように愛称が各車両につけられた。
号車 1 2 3 4 5 6
構造 Tc' M M' M M' Tc
G4+G5編成 クロ485-1 モロ485-2 モロ484-4 モロ485-3 モロ484-5 クロ484-3
愛称 へいあん ほほえみ にぎわい はなやぎ ろばた いこい
改造前 クハ481-25 モハ485-56 モハ484-56 モハ484-37 モハ484-37 クハ481-22

コンセプト[編集]

『車内で宴会を行う』という和式車両の利用目的を基本として、開発コンセプトを「宴」とした。後に愛称にも使用。

また、色には以下のような意味合いがある。
  • 縁…ふれあいの楽しさ
  • 円…なごやかな心
  • 艶…はなやぎの気持ち
  • 車体の外部色には日本の伝統的な色である「炎」(-えん)をモチーフとした赤色を使用。シンプルさの中に重厚さを表現すべく、金色の帯を窓下と車体裾部に入れた。

客室[編集]

客室は木目調を生かしたベージュ色系統の色彩デザインとした。モロ484形以外は掘り炬燵構造が採用。なお、モロ484形については一部が低屋根構造であることから掘り炬燵構造とはせず、床は他車よりやや下げた上で全てフラットな状態とした。
利用者は一度靴を脱いだら他の車両への移動も靴を脱いだままで可能とするように配慮され、このため畳の下にスライド式下足入れが設置されたほか、デッキには巻取り式の敷物が設置された。これは乗車完了後に乗務員・添乗員が引き出してセットすることになる。

運用[編集]

定期運用はなかった。なお、この列車は運行年数が短かった。理由として、種車の部品が50年を超えるような車両が多く、老朽化が隠せなかったからである。
そのため、2019年2月23日の団体臨時列車を最後に営業運転を終了。同年4月25日から26日にかけて長野総合車両センターに回送、同26日付で廃車された。なお、横軽対策、中央本線狭小トンネル対応工事を施工していたため、自走での廃車回送となった。

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