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外積

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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数学線形代数に於ける外積とはベクトルに対して行う掛け算の一種である。演算記号×の形状からクロス積とも呼ばれている。(※ベクトル積とゆー別名もあるんだが最近あんまり見かけない。)

概要[編集]

三次元ユークリッド空間内に三次元ベクトル

が存在していたとする。 ここで三角形の面積公式

より上記ベクトルが張る平行四辺形の面積は

で与えられる。 ベクトルに絶対値記号が付いてるやつはそのベクトルの大きさ(ノルム)であり、θは上記ベクトル達が成す角を指す。この平行四辺形の面積を計算してゆくと

となる(※根号の中の2番目の項はベクトルの内積の2乗である)。このルートの中身を計算するのは結構大変なんだが結果だけ示すと である。さて、ここで

を成分とするようなベクトルを考えるとこれのノルムが上述の平行四辺形の面積を表わしてる事が分かる。

このようなベクトル外積と呼びとゆー記号で表わす。

従って上述の平行四辺形の面積は外積を用いれば

と表わされる事になる。

利用[編集]

ベクトル解析回転とゆー数式(物理量)が出てくるんだけどこれはクロス積を用いて

で表わされる。

ここでは適当なベクトル、逆三角形は「ナブラ(nabla)」ってゆー記号で、偏微分記号を使って

で定義されるベクトル演算子である。

ちなみにエンペディアで回転リンクを押しちゃうと面白いページに飛んでしまうんで数学ガチ勢なニキ&ネキは回転(数学)を編集 or 閲覧される事をお薦めしますw

性質[編集]

成分の形から分かるように外積には

とゆー性質がある。即ち内積と異なり交換法則が成り立たない。またこの関係から

が言える。(※右辺は零ベクトル)

またが成り立つので外積ともとも直交してる事が分かる。

この直行することは、平行六面体の体積計算や電磁気学の法則(フレミングの法則ローレンツ力電磁波の伝搬)などで便利である。 外積の向きは言葉では表現しにくく、また座標系の取り方(右手or左手系)にも依るので詳しいことは割愛する。 平行六面体の体積計算では(符号付体積を考えない限り)直行すればよく、最終的に絶対値を取るのだから直行する2方向のうちどちらでも良い。 しかし、電磁気学の分野では向きをきちんと定義しなければ力や伝搬の方向が逆になってしまうので、向きは重要である。

ベクトル三重積[編集]

ここではクロス積にまつわる公式を御紹介します☆

以下の如き公式をベクトル三重積と呼ぶ。;

証明[編集]

とおいてこれの左辺のz成分のみ示す事にする。

ふぅ…大変な計算だったけどこれと同じよーな式がx成分、y成分でも言えるんで上述の公式が成り立つ事が分かる。(第1項の掛け算や内積の順序がちょっと違うけど気にしない!)(証明終)

※計算の途中でを足して引くとゆー変形を行った。 尚、x成分y成分に関しても同様に証明できるんで忍耐力に自信のある皆様は是非お試し下さいませ♡

ちなみにこのベクトル三重積の公式に

代入すると

が得られる。上記等式は物理電磁気学に於いてマクスウェル方程式から電磁波波動方程式などを導くのに必要な重要公式である。

(※実は∇代入したとき内積の順序をこっそり交換したんだけどこいつは所謂「記号の濫用」って奴であって 実際はなんで要注意‼︎) ちなみに上述のベクトル解析の公式はナブラ記号を使わずに書くと以下のようになる。;

上記ベクトル作用素(grad、div、Δ)の意味や詳細についてはベクトル解析のページか専門書を御覧下さいまし☆

スカラー三重積[編集]

以下の如き公式をスカラー三重積と呼ぶ。

スカラー三重積は、平行六面体の体積計算もできる。 底面となる平行四辺形の面積計算がカッコ内の外積に相当し、高さ成分が内積に相当する。 このことは、外積の方向(もとのベクトルの両方に対して垂直な向き)による。

例えば、原点の頂点とする平行六面体について、原点に隣接する3頂点の位置ベクトルを とすると、その体積Vはスカラー三重積の絶対値になる。

位置ベクトルが零ベクトルになる場合や3つのベクトルが同一平面内にある場合はスカラー三重積は0になる。 これは、平行六面体が潰れて体積が0になることと対応する。 また、絶対値を取らなければ符号付面積になる。これは、外積の向きに由来する符号である。 通常体積計算においては外積の向きは2方向どちらでも良いが、一方に決める必要があるためのものである。