国鉄781系電車
製造所 | 川崎重工業 日立製作所 |
運用者 | 国鉄/北海道旅客鉄道 |
製造年 | 1978-1980年 |
製造両数 | 48両 |
廃車年 | 2007年 |
最高運転速度 | 120Km/h |
設計最高速度 | 120Km/h |
電源方式 | 交流20000V(50Hz) |
保安装置 | ATS-SN |
主電動機 | MT54E |
制御方式 | サイリスタ位相制御 |
歯車比 | 4.21:1 |
台車 | DT38 TR208A |
主な走行路線 | 千歳線 函館本線 |
主な運用 | 特急ライラック 特急いしかり 特急ホワイトアロー |
国鉄781系電車とは、1978年に日本国有鉄道が北海道向けに投入した特急型車両である。
概要[編集]
1975年に急行「さちかぜ」の全てと「かむい」の一部が特急「いしかり」に格上げされることが決定。使用車両には当時本州の寒冷地で使われていた485系1000番台を北海道向けに改良した区分、485系1500番台を投入することとなった。
特急いしかりは1975年7月18日に誕生。北海道向けに新製された485系1500番台を使用し順調に運行を開始していた。だが、寒さが厳しい冬季の北海道。やはり雪に打ち勝つことはできず、冬には運休や711系による代走などが相次いで行われた。これを対策するために投入されたのが本形式、781系電車である。
485系に似た外観であるが北海道向けに改良され、前面屋根上の前照灯を485系1500番台と同様2灯に追加、MTユニットを採用、テールライトを内ハメ式とするなど北海道向けの車両とされた。また、寒冷地仕様のため雪切室の設置も行われた。
交流区間特有のホームの低さに対応するために485系と同様ステップ付きのドアとなっている。ドアは1ドア片開きとなっているが、後の改造で2ドアになった車両も存在する。前面連結器は北海道特有の自動連結器となっている。これは、北海道に所属する列車の大半が当時は自動連結器だったためと考えられている。
塗装は北海道の雪の中でも見えるように列車の前面にも帯が描かれている。
781系はまず485系の運用を置き換え、冬季でも安定した運用につくことができるようになった。なおこの際置き換えられた485系は本州へ転属し、特急「やまびこ」、「白鳥」などの運用についている。後に「ドラえもん海底列車」運用による回送列車で本州の蟹田駅まで乗り入れている。
だが、当形式も北海道の厳しい環境の中で動いていたため老朽化が進行。785系に置き換えられ2007年10月28日の最終運用を行った後廃車となった。
型式別解説[編集]
781系にはクモハ・モハ・クハ・サハの4形式が存在した。
MTユニット(クモハ+サハ/モハ+クハ等)が組まれ、6両で活躍。後に先頭車化改造などで4連になっている。
- クモハ781形
- 制御電動車(Mc)となり、サハ780形とMTユニットを組成する。偶数向き固定となっている。雪切室の関係上トイレは設置されていない。
- モハ781形
- 中間電動車 (M) となり、クハ780形・サハ780形とMTユニットを組成する。クモハ781形と同様トイレ・洗面所は設置されていない。
- クハ780形
- 制御車 (Tc') 。パンタグラフや主変圧器などを搭載。モハ781形とMTユニットを組成する。奇数向き固定で使用される。トイレ・洗面所は設置されている。
- サハ780形
- 付随車 (TA) であり、クハ780形と同じくパンタグラフや主辺圧器などを装備。クモハ781形またはモハ781形とMTユニットを組成する。トイレ・洗面所・専務車掌室を設置。
試作車と量産車の違い[編集]
試作車と量産車の違いはあまりないが解説する。
試作車[編集]
1978年に登場。愛称表示機(ヘッドマーク)の枠淵はゴムで作成。また、試作車の側灯(車両側面についている赤いライト)は小さな丸形となっている。
量産車[編集]
同年に登場。愛称表示機の枠淵は金属で作成され、側灯は縦に細長い楕円に変更されている。