命題

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

命題(めいだい)は、正誤がはっきり分かる文を言う。例えば、「3は素数である」や、「正方形三角形である」は命題である。ここで、前者は正しいが、後者は間違っている。正しい命題を真の命題、誤った命題を偽の命題という。一方、「10は大きな数である」のように、真偽がはっきりしないものは命題ではない。また、反例が1つでもあれば、それは偽の命題となる。

逆・裏・対偶[編集]

ここで、「自然数n奇数ならば、2nは偶数である。」という命題を考える。この命題は真である。(証明)n=2k+1(kは非負整数)とおくと、2n=2(2k+1)である。2k+1は自然数だから、2(2k+1)は2の倍数、つまり自然数である。(証明終)

では、この命題の仮定と結論を入れ替える。仮定と結論を入れ替えた命題を、元の命題のという。この場合、「nが自然数のとき、2nが偶数ならば、nは奇数である。」が逆になる。しかし、2n=4のとき、2nは偶数だが、n=2は偶数なので、この命題は偽である。次に、元の命題の仮定と結論をそれぞれ反対の言葉にした命題を考える。このような命題を、元の命題のという。この場合、「自然数nが偶数ならば、2nは奇数である。」が裏になる。しかし、n=2のとき、2は偶数だが、2n=4は偶数なので、この命題はぎである。つまり、元の命題と、裏や逆の真偽は一致しないこともあるのである。

今度は、「裏の逆」または「逆の裏」つまり元の命題の対偶を考えると、「nが自然数のとき、2nが奇数ならば、nは偶数である。」となる。しかし、nは自然数であるから、2nは必ず2の倍数、つまり偶数になってしまう。つまり、仮定を満たすnがそもそも存在しないわけだが、このような場合は真の命題であると考える。例えば、「平面上で内角の和が360°の三角形は正三角形である。」や、「n2<-10を満たす自然数nは素数である。」も、そもそも仮定を満たすものが存在しないので、真の命題であると考える。こうすると、元の命題と、その対偶の真偽は必ず一致することになる。