入唐求法巡礼行記
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入唐求法巡礼行記(にっとうぐほうじゅんれいこうき)は、天台宗山門派の祖である円仁が838年(承和5年)遣唐使の一行に加わって唐に渡り、847年に帰国 するまでの自筆日記である。日本最古の旅日記であり、マルコ・ポーロの『東方見聞録』、玄奘三蔵の『大唐西域記』とともに世界三大旅行記の一つとされる。
概要[編集]
明治16年に東寺観智院で写本が発見された。唐代末期の中国において9年間に亘り教学を研究し、五台山への巡礼、長安資聖寺での生活、廃仏毀釈の法難などが同時代の視点で書かれている。唐朝廷における熾烈な権力闘争、地方の政情不安、僧侶・官吏・庶民の風俗・習慣など、唐代末期の世相を描く。 研究書に元米国駐日大使エドウィン・ライシャワー博士の『円仁 唐代中国への旅』[1]がある。
刊行[編集]
明治時代の1906年から1909年にかけて刊行された『続々群書類従 第12巻』[2]の宗教部・第1-8、に掲載された入唐求法巡礼行記が早い刊行である。その後、大正時代に東洋文庫論叢から刊行された[3]がある。