中森正治
中森 正治(なかもり まさはる)は、日本の化学者、腐食防食専門士・技術士(金属部門)。工学博士(北海道大学)。元腐食防食専門士会関西支部運営委員。腐食防食学会第44回材料と環境討論会1997高温腐食II座長。高温腐食・防食テクノサーチ代表。元三菱重工業高砂研究所化学研究室主務。元北海道大学エネルギー変換マテリアル研究センター客員教授。
略歴[編集]
1968年大阪工業大学工学部応用化学科卒業。のちに、北海道大学大学院にて工学博士(北海道大学)[1]。三菱重工業高砂研究所にて、主にプラント(ガスタービン・ボイラ)の高温腐食/防食および溶射の研究に従事し、1991年技術士(金属部門)資格を取得。1992年同研究所化学研究室主務などを経て、同社を退職後、独立し2004年高温腐食・防食テクノサーチを開設、代表となる[2]。同年、腐食防食協会(現:腐食防食学会)が2003年に新設した腐食防食専門士の資格認定を得る(関西地区の第1期認定者は、同協会名誉会員の長野博夫、コベルコ科研の藤原和雄を含め3名のみ)[3]。産学連携推進の一環で、2009年から2012年まで北海道大学エネルギー変換マテリアル研究センター客員教授[4]、同大学研究センター主催フォーラム2012「石炭燃焼ガスによる高温腐食および摩耗とその対策」で企画委員も務めた[5]。
特に、関西地区における腐食防食専門士の啓蒙・普及活動に努め[3][6]、これらの功により、腐食防食学会貢献賞を受賞(2014)[7]している。
主な所属学会は、電気化学会、腐食防食学会、日本金属学会、日本材料学会、日本防錆技術協会、日本電気協会、火力原子力発電技術協会。主な著書は、腐食防食用語辞典(分担執筆、晃洋書房2016、学術書)[8]、金属腐食ガイドブック(分担執筆、情報機構2008、学術書)。
主な受賞[編集]
- 腐食防食学会貢献賞(2014)[7] - 学会本部並びに支部の事業発展に貢献した会員に対して授与
- 腐食防食学会貢献技術賞(2017)[9]
- 日本電気協会第61回澁澤賞(2016)[10]
- 火力原子力発電技術協会 火力原子力発電大会論文賞受賞(2013) [11]
主な研究[編集]
- 高温腐食環境における溶射技術の適用例[12]
- 高温耐食性表面処理方法- 三菱重工業での特許(特許第3224716号)[13]
- 溶射材料焼結体及び溶射材料の製造方法 - 関西電力への特許(特許第5875072号)[14]
- 穿孔圧延用プラグ、その穿孔圧延用プラグの再生方法、およびその穿孔圧延用プラグの再生設備列 - 住友金属工業への特許(国際出願WO2009-057471)[15]
- 低質油燃焼ボイラ及びガスタービンにおける高温硫化腐食の機構と抑制に関する研究
- プラズマ溶射と拡散浸透処理を組み合わせた複合コーティング層の高温耐食性
主な論文[編集]
- 石炭燃焼ボイラ火炉管用Cr3C2-NiCr溶射皮膜の実験室的評価
- 微粉炭燃焼ボイラにおける伝熱管の高温腐食・摩耗損傷解析
- 微粉炭燃焼ボイラ伝熱管に施工した溶射皮膜の実缶調査
- 微粉炭燃焼ボイラ伝熱管に施工した溶射皮膜の実缶調査
- 微粉炭燃焼ボイラ伝熱管における高温腐食・磨耗損傷部への水蒸気の影響
- 高温での被覆材料のNa2SO4-NaCl誘起内部腐食の抑制
主な著書[編集]
「ボイラ燃焼ガスによる高温腐食事例とその対策」(中森正治監修、テクノシステム;2012)[17][18]
主な取得技術特許[編集]
- 溶射材料焼結体及び溶射材料の製造方法(特許公報)
- 溶射材料粉末、溶射材料焼結体及び溶射材料の製造方法(公開公報)
- 高温燃焼腐食試験装置(特許公報)
脚注[編集]
- ↑ https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000001-I000000272812-00
- ↑ http://www.corrosion-specialist.jp/specialist-intro/senmonsi-risuto.htm
- ↑ a b http://corrosion-specialist.jp/koramu/Vol.57,No.1.pdf
- ↑ https://www.eng.hokudai.ac.jp/graduate/publicity/files/carem.pdf
- ↑ https://jim.or.jp/jim_web/EVENTS/branch/brch_0486.pdf
- ↑ http://www.zkk.co.jp/semirep.shtml
- ↑ a b https://www.jcorr.or.jp/entry_file/2014hyosyo.pdf
- ↑ https://fushoku.jsms.jp/books/files/jiten.pdf
- ↑ https://www.jcorr.or.jp/entry_file/2017jigyohoukoku.pdf
- ↑ https://www.denki.or.jp/wp-content/uploads/2014/09/shibusawa-h28.pdf
- ↑ https://cir.nii.ac.jp/crid/1521136279905849344
- ↑ https://tetsutohagane.net/articles/search/files/78/6/KJ00002718236.pdf
- ↑ https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201103053094663709
- ↑ https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201603007835269804
- ↑ https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201103052065179176
- ↑ 中森正治, 京将司, 石橋修 ほか, 「硫化したSTBA21鋼の水蒸気酸化および大気酸化挙動の調査」『Zairyo-to-Kankyo』 60巻 3号 2011年 p.123-125,
- ↑ https://www.monodukuri.com/dvd_library/dt/621/ボイラ燃焼ガスによる高温腐食事例とその対策
- ↑ http://fushoku.jsms.jp/books/files/jiten.pdf