下高井戸放火事件

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下高井戸放火事件(しもたかいどほうかじけん)とは、東京都杉並区において起きた起きた放火事件である。その後の捜査で起訴されたAは、無罪判決が確定している。

概要[編集]

2000年3月2日に東京都杉並区下高井戸において、Aの自宅から火災が発生。Aの自宅である寿司店の出火場所となった箇所には、火元がなく、放火事件として捜査が開始。Aが店の経営がうまくいっておらず、火災後に火災保険を受け取っていたことから、Aを逮捕。その後、検察は取り調べを経てAの自白内容が、検察の鑑定人による鑑定と一致しているとして、火災保険金目的の放火を行ったとした。2000年12月13日に、店の1階に火を付けた後に2階に石油のポリタンクをまいて火をつけて、700万円の火災保険をだまし取ったとして現住建造物放火罪詐欺罪でAを起訴した。

裁判経過[編集]

裁判では、自白の信用性と放火に関する鑑定が争点となった。当初の杉並消防署の火元は寿司店1階が火元と出たでたものの、検察側は、東京理科大学須川修身助教授の鑑定書を提出して、2階も火元となっていると主張。一方、弁護側は東邦大学佐藤研二教授の鑑定書を提出して、火元は1階のみであると主張した。

検察は、床下の角材の梁の上部が焼けているのに対して下部が焼けていないとして、梁の上部は隙間なく組み立てられており、の上部が火元とした。その後、弁護側は、梁の上部には角材の根太があることを発見。根太があるため、梁の上部には隙間ができるため、梁の上部の方が下部よりも燃えやすく、検察側の鑑定には自白と矛盾があると主張した。

2004年2月23日に東京地裁大島隆明裁判長)は、起訴されていた現住建造物放火 、詐欺罪について無罪判決(求刑懲役13年)を言い渡した。判決では、検察側の鑑定は信用できず、自白には秘密の暴露もなく、信用性もないと結論付けた。検察は、この判決に対して控訴を断念。無罪判決が確定することになった。

参考文献[編集]