リュウグウノヒメ

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リュウグウノヒメPterycombus petersii, : Peter's fanfish[1])は、スズキ目シマガツオ科の海水魚である。

1878年、新種として記載される[2]1913年、「リュウグウノツカイ」という和名が提唱されるが、この和名はアカマンボウ目のRegalecus russelliにすでに与えられており、1938年に「リュウグウノヒメ」という和名が提唱された[3][4]。食用にはしない[2]

分布[編集]

西太平洋、赤道付近の中央太平洋、西インド洋、南アフリカの大西洋岸[5]

日本国内では沖縄県を除く各地で散発的に見られる[5]、深海性の稀な種である[6]。秋田県、駿河湾、新島、萩、三重県、九州・パラオ海嶺から知られる[6]

形態[編集]

体長40センチ[5]。銀白色の体は長く、著しく側偏する。体高は高い[7]。口は上向きで、鋤骨と口蓋骨に歯がない[6]

臀鰭基部は胸鰭基部の下あたりから、背鰭基部は眼の後方あたりから始まる。体長20センチ程度の若魚では背鰭および臀鰭は大きく広いが、成長するにつれて狭くなる。背鰭および臀鰭は折りたたんで鱗鞘という溝に収納できる[5]。背鰭および臀鰭の鰭膜は黒色[7]

背鰭:47-49軟条。胸鰭:19-22軟条。臀鰭:37-40軟条。側線鱗:47-50。鰓耙:6-7。脊椎骨数:45-47[8]

生態[編集]

普通は水深300から500メートルに生息。稀に浅い所で見つかることがある[2]。富山県では4月から5月に獲れる回遊魚であるとする文献もある[9]

マグロ類の胃の中から見つかる[7]

出典[編集]

  1. 三省堂 1981, p. 428.
  2. a b c 冨山 2013.
  3. 畑晴陵、伊東正英、山田守彦、高山真由美、本村浩之「標本に基づく鹿児島県のシマガツオ科魚類相」、『Nature of Kagoshima』第41巻、鹿児島県自然愛護協会、2015年、 85頁、 ISSN 1882-7551
  4. 『黒潮あたる鹿児島の海 内之浦漁港に水揚げされる魚たち』 小枝圭太, 畑晴陵, 山田守彦, 本村浩之、鹿児島大学総合研究博物館、2018年、268-269頁。
  5. a b c d 小学館 2018, p. 269.
  6. a b c 保育社 1985, p. 13.
  7. a b c 北隆館 2005, p. 558.
  8. 東海大学出版会 1993, p. 710.
  9. 津田武美「富山湾の冬―浜辺のスケッチ―」、『とやまと自然』第48号、富山市科学文化センター、1990年1月1日、 3頁、 NDL00034911

参考文献[編集]

  • 『日本産魚名大辞典』 日本魚類学会、三省堂、1981年4月8日、初版第1刷、428頁。doi:10.11501/12601650
  • 『小学館の図鑑Z 日本魚類館』 中坊徹次、小学館、2018年3月25日、初版第1刷、269頁。ISBN 978-4-09-208311-0
  • 『新訂原色魚類大圖鑑「圖鑑編」』 多紀保彦, 河野博, 坂本一男, 細谷和海(監修)、北隆館、2005年12月10日(原著1987年)、新訂版初版、558頁。ISBN 4-8326-0820-7
  • 中坊徹次(編著) 『日本産魚類検索―全種の同定―』 東海大学出版会、1993年10月12日、初版第1刷、710頁。ISBN 4-486-01250-X
  • 蒲原稔治、岡村収 『原色日本海水魚類図鑑(Ⅱ)』 保育社、1985年7月31日、初版、13頁。ISBN 4-586-30073-6
  • 冨山晋一「駿河湾で採集されたリュウグウノヒメ」、『海のはくぶつかん』第43巻第2号、東海大学社会教育センター編集委員会、2013年4月1日、 6頁、 ISSN 0386-4197