リアルタイムPCR

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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リアルタイムPCR法とは、検体に含まれているウイルス・細菌等の遺伝子のうち、RNAを人工的に転写させ増幅することで、検体に含まれているウイルス等の種類を確定させる検査手法のことである。従来のPCR法では、結果判定まで3日程度を要していたところ、RNA増幅に用いるプライマーに、特定のウイルス等について増幅をより促進させる構造を持たせることによって、数時間程度での結果判定が可能になった、リアルタイムの方法である。1990年代~2000年代にかけて実用化された。

PCR操作は基本的に生物学研究分野で用いられる方法であるが、次のような場合では、医療上の臨床的な利用がなされる。

  • AIDS、放射線暴露による放射線障害等で、免疫が正常に機能していない患者における、日和見感染 ()の判定。通常は使用できる抗体検査が、免疫機能廃絶により使用できないため。
  • 新興ウイルス等感染症または希少疾患等のため、抗体検査キットが開発されていない場合。判定対象となるウイルス等が絞り込めていれば、PCRにより確定診断が可能となる。2020年新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の判定で広く用いられた。日本国内で主に使われている新型コロナウイルスCOVID-19)の感染検査法のことである。この検査はを綿棒でこすって採取した粘液などの検体に含まれるウイルス特有の遺伝子配列を、試薬と専用の装置で増幅して検出することになる。確認されれば陽性ということになる。ただし、感染初期の場合にはウイルスの量が少ない場合があり、この場合には検出できない可能性もある。