ヨクト(単位y)とは、10-24倍、すなわち1𥝱分の1倍を意味するSI接頭辞である。ゼプトの一つ下、ロントの一つ上のSI接頭辞である。1ヨクトメートルは約10キロ電子ボルトのエネルギーを持つニュートリノの反応断面積の半径とほぼ等しく、1ヨクトグラムは陽子の約6割の質量である。このため、高度に素粒子物理学が発達する以前は、ヨクトオーダーの量が登場することは皆無であった。それゆえに、ヨクトは1991年にゼプト、ゼタ、ヨタと同時に制定された、新しいSI接頭辞の一つである。現在でも、実際にヨクトの接頭辞が使用されることはほとんどなく、指数表記で代用されることがほとんどである。