モーリス・マレシャル

モーリス・マレシャル（Maurice Maréchal, 1892年10月3日 - 1964年4月19日）は、フランスのチェロ奏者。

ディジョン出身。６歳の頃から地元の音楽院でピアノとソルフェージュを学んだが、チェロに興味が移り、専攻をチェロに切り替え、10歳の時には地元の劇場で演奏を披露する程に上達した。1907年にはカール・ダヴィドフのチェロ協奏曲第２番を弾いて音楽院のプルミエ・プリを取得して卒業した。卒業後はパリに行ってルイ・フュイヤールのレッスンを受けてパリ音楽院に進学し、ジュール・ローブのクラスに入った。パリ音楽院在学中にはシャルル・エドゥアール・ルフェーヴルに室内楽、ポール・デュカに管弦楽法も学び、またパブロ・カザルスにも感化された。1911年にはフランツ・ヨーゼフ・ハイドンのチェロ協奏曲の第一楽章を弾いてプルミエ・プリを獲得して音楽院を卒業し、コンセール・ラムルーの次席チェロ奏者の公募に応募して優勝している。1914年から第一次世界大戦に従軍したが、戦場で有り合わせのものを使って戦友にチェロを作ってもらい、そのチェロを使って慰問演奏を敢行していた。戦後はアメリカ人のルイーゼ・パーキンスと結婚してパリに定住 。またカザルスとも共演し、ジャック・ティボーやアルフレッド・コルトー等と室内楽に興じたり、マリウス・カサドシュの主宰するピアノ三重奏団にチェロ奏者として参加したりした。1922年のモーリス・ラヴェルのヴァイオリンとチェロのためのソナタの初演時には、ヴァイオリン奏者のエレーヌ・ジュルダン＝モランジュと共に演奏に参加している。第二次世界大戦中は、レジスタンスの闘士としてフランスに残り、ドイツからの演奏依頼はもとより、ドイツの息のかかった演奏依頼は全て拒絶した。1943年にジェラール・エッキングの後任としてパリ音楽院のチェロ科教授に就いたことで、演奏よりも後進の指導に活動の重点を移すようになった。

パリにて没。

脚注

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