フローレンティナー・マーチ

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フローレンティナー・マーチ(英: Florentiner March)は、チェコ出身の作曲家であるユリウス・フチーク作曲の吹奏楽曲[1]フローレンス行進曲とも。後にメイヒュー・レイクフレデリック・フェネルによって編曲されており、現在では彼らが編曲した楽譜が演奏される場合が多い。

概要[編集]

フチークによる第214番の作品。ここで言う「フローレンティナー」とは、イタリア北部の「フィレンツェ」を指すドイツ語の形容詞である[2]。20世紀初頭、生前のフチークがフィレンツェへ旅行した際に作曲されたもので、彼の南部ヨーロッパへの憧憬を色濃く表す作品として知られる。作曲当初は「トスカーナのばら」という題であったが、当時の政治的情勢を鑑み、現在の題に落ち着いたという話もある[2]

曲調[編集]

2/2拍子。オリジナルキーは変ホ長調、トリオは変イ長調。典型的なコンサート・マーチで、テンポについては「tempo di marcia」と記載されており、♩=120~116前後(2/4拍子で考えた場合)が望ましいとされる。華々しいトランペットのファンファーレから始まり、所々にダイナミクス豊かなtuttiを挟みつつ、軽快な足取りで曲が進行する。trio前までは主に木管がメロディーを担い、細かく動くリズムとp~mfの間の振り幅の大きなボリュームでしばらく進行する。trioは厳かかつ美麗な木管アンサンブル。後半はクラリネットフルートピッコロなどによる跳ねるような可憐で美しい旋律が続く。リピートの後trioが明け、ffでtutti。最後に主題が再び現れ、最高潮のテンションのまま終了する。

参考音源[編集]

脚注[編集]