チョコラタ・ク・ロッム
チョコラタ・ク・ロッム(ルーマニア語:Ciocolat? cu rom、「チョコレート? とラム酒」の意)とは、ルーマニアで販売されているチョコレートの菓子。ROM社が製造している。日本ではROMチョコレートと呼ばれることもある。2011年にFacebookとテレビCMで炎上商法を用いて宣伝し、成功したことで知られる。
概要[編集]
ルーマニア国内で、社会主義政権下の1964年から製造・販売されている。1989年の民主化(ルーマニア革命)以降は、ルーマニア国旗の色のパッケージで販売されている。[1]
味はミルクとブランデーが混ざったような独特なものであるという。ルーマニア国外では、ほとんど目にすることがない。[2]
炎上商法[編集]
民主化後、ルーマニア国内でスニッカーズなどの西側諸国の菓子が販売されるようになると、チョコラタ・ク・ロッムの売上は低下した。西側の文化に触れたルーマニアの若者たちには、「ダサいお菓子」というイメージを持たれてしまった。
そこで2011年、売上やイメージを回復するため、チョコラタ・ク・ロッムの包装のデザインをルーマニア国旗からアメリカ国旗に変更することを広く告知した。この変更がルーマニア人の愛国心に火をつけ、ROMには非難が殺到した。あまりの騒ぎの大きさから、その日のゴールデンタイムのニュース番組に取り上げられることになった。
翌日、ROMは再び大々的に広告を出した。この変更がジョークであることを明かした上で、「ルーマニア人の愛国心の再発見を喜びましょう」というメッセージを出した。
この一連の炎上商法は、最終的にルーマニア国民の67%に認知された。また、ROM社に30万ユーロ(4300万円以上)分の広告効果をもたらしたほか、同社のFacebookのフォロワーを3倍にした。さらには、ルーマニア国内のROMのシェアを20%にまで伸ばし、スニッカーズなどのライバルを差し置いて、チョコレートのシェア1位に躍り出た。[3][4]
以上のROMの事例は、炎上商法の希有な成功例として知られている。