タチウオ
ナビゲーションに移動
検索に移動
タチウオとは、海産の食用魚の一種。スズキ目サバ亜目タチウオ科に属する。「太刀魚」の名の通り、銀色の体色が特徴的である。「立って泳ぐから『立魚』」というのは、マニアの洒落である。実際、タチウオと言う和名は江戸時代に使われていたが、当時の日本人がタチウオの生息する深度まで潜ることは不可能であろう。
カレイやヒラメが浅海の底層魚であるのに対し、本種はより深い場所に棲息する。表層~水深400m前後の海底に群れて生活しているが、汽水域に入ってくることもあるという。
釣りのシーズンは船釣りでは7~12月頃で、近年は3月頃まで釣れるという。魚食魚であり、イワシなどの回遊魚を下から狙うため、立って泳ぎながら水平に漂いながら、水面近くにいる魚にダッシュする。そのためハモと同じく顔つきが怖い。
人間生活との関わり・利用[編集]
なんといってもムニエルが美味い(唐揚げ・竜田揚げにしてもうまい)が、「油分がしつこい」という人もいるため、和食では焼き物が多く賞味される。もちろん新鮮なものは刺身にもできる。ときに煮物にもされるし、干物も悪くないが、熟成が進むと味が落ちやすいので、なるべく加熱とか干物とかにして味が落ちるまえに酵素の活動を止める(クエンチング)のがよいと思われる。
かつて池袋のサンシャイン水族館で、ひとつの水槽にマンボウと太刀魚が展示されており、「立って泳ぐ」のが見られた。ガンガゼとヘコアユ、イソギンチャクとクマノミのように、マニアにとってはすばらしい展示であった。