ステアリング

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ステアリング(steering)とは、車のハンドルのことで、自動車を左右に旋回させるための装置または機構で、車の進行方向を変えるものである。ハンドルを時計回り=右回りにすると車が右に曲がり、ハンドルを反時計回り=左回りにすると車が左に曲がる。自動車においては前輪を操舵するものが一般的であるが、大型車や一部の自動車では後輪も操舵する四輪操舵(4WS)というシステムもある。また、車内におけるステアリングホイールを指して単に「ステアリング」と呼ぶこともあるが、本来はステアリングホイールだけではなく機構全体を示す名称である。本項では主に四輪自動車向けのステアリング機構について記述する。

概要[編集]

車内で操作するステアリングホイールと実際にタイヤホイール)を動かすタイロッド、それらを接続するステアリングシャフトやギアボックスで構成されている。ステアリングホイールを回すとシャフトを通じてギアボックスに回転が入力され、ギアボックスがタイロッドを左右に動かすことでタイヤの向きを変えることができる。自動車は基本的に全輪を操舵するものが一般的であり、これらの機構が自動車の前方に集中するためエンジンや補器類の搭載や積載スペースに制約が生まれる原因となっている。ギアボックスの機構から主にラック・ピニオン式とボール・ナット式にわけられ、現在ではラック・ピニオン式が主流となっている。また、低速時はタイヤの抵抗も大きいことから大きな操舵力が必要となっており、その操舵力のアシストをするパワーステアリングも普及している。

現代の自動車のステアリング機構はアッカーマンジオメトリ[注 1]と呼ばれる仕組みが作用されており、旋回時の左右輪の角度に差をつけることでスムーズでタイヤに負荷をかけない旋回を実現している。この角度の差をアッカーマン角やアッカーマンアングルなどと呼ぶこともあり、ホイールアライメントやセッティングの際の重要な要素となる[注 2]

ステアリングシャフトは車両前方から運転席前にせり出すような配置になっており、正面衝突時はステアリングシャフトが車内に押し出されて運転者の被害が増えてしまう可能性もあるものである。そのため、現在はステアリング機構にも安全装置が組み込まれており、衝撃時にステアリング機構全体を移動させてしまう[注 3]衝撃吸収ステアリングという安全装置も普及している。

関連項目[編集]

注釈[編集]

  1. アッカーマン・ジャントー方式やアッカーマン機構とも
  2. 静止時や直進時の進行方向に対するタイヤの開き具合がトー角であり、コーナリング時のアッカーマンアングルと重要な関係を持つ…らしい[1]
  3. 衝撃でステアリングを前方に押し込んで戻らなくするような機構が組み込まれている

脚注[編集]