スクラップド・プリンセスRPG
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スクラップド・プリンセスRPGは、榊一郎のライトノベル『スクラップド・プリンセス』を原作としたテーブルトークRPGである。メインデザイナーは黒田和人(グループSNE)。2003年に富士見書房から文庫版として発売された。
概要[編集]
スクラップド・プリンセスRPGでは、プレイヤーが「守護者因子の持ち主」として、『スクラップド・プリンセス』の世界を旅するのが一般的な遊び方であるとされる。また、選択ルールを採用することによって「竜騎士」や「律法を破る者」として世界に関わることも可能である。
スクラップド・プリンセスRPGでは、武器の種類や矢などの本数を管理しないルールを採用している。また、NPCに対する「交渉」「論争」システムを採用するなど、他の一般的なTRPGに比較してダンジョンの探索や戦闘よりも寧ろ、情報収集などにウエイトを置いたシステムになっている。
ルール[編集]
2d6システム[編集]
行為判定やダメージ算出などの基本的なルールシステムはソード・ワールドRPGと同じシステムが用いられており、互換性がある。ソード・ワールドRPGの特徴のひとつである「レーティング表」も同じ数値のものが採用されている。
本作の基本的なルールシステムは「2d6システム」と名づけられており、ルールブック表紙には2d6システムのロゴマークまでつけられている。d20システムのように他のゲームにも採用していく構想もあったようだが、2010年現在までに2d6システムのロゴマークがつけられたゲームは本作のみとなっている[1]。
独自ルール[編集]
以下に示すのは『スクラップド・プリンセスRPG』独自のルールであり、2d6システム共通のものとはされていない要素である。
- 意識容量
- この値が高いほど強力な魔法が使えるようになったり、同時に使用できる魔法の数が増える。
- ソードワールド同様、キャラクターの作成時に能力値をダイス目で決定するが、その際に1の目が出たダイスの個数がそのまま意識容量の値となる。
- また、任意のダイスを1の目が出たものとして扱えるが、能力値が低くなってしまうため多用は禁物である。
- GMが認めた特殊な場合を除き、成長しても基本的に増えることはない。
- 論争
- 戦闘を避け(または中断し)、戦闘に似た感覚の論争により敵と決着をつけるためのシステム。
- 本作は一般的なTRPGと異なり回復魔法が存在しないため、ダメージの発生する戦闘は避けて、この「論争」で決着をつけることが戦術上重要になる。
- 「論争」に敗北すると戦闘に突入(または戦闘が再開)してしまうだけでなく、モラル崩壊という非常に不利な状態になってしまう。そのため、論争を仕掛けずに直接戦闘をしかける方が有利なこともしばしばある。
- モラル崩壊
- 全ての判定に対して技能がないものとして扱われてしまう、非常に不利な状況。
- 基本的にシナリオ終了時に回復するが、弱点としてしか働かない「信条」を得てしまい、こちらはSPを消費して克服するまで回復しない。
- 戦闘態度
- 戦闘への覚悟や相手への害意を「怪我をさせない」、「大怪我をさせない」、「殺さない」、「本気」4段階の態度に分類したもの。
- 後になるにつれ、戦闘を有利に進められるが、その分敗北した相手に大きなダメージ(最悪の場合、死亡)が残る。
作品一覧[編集]
- スクラップド・プリンセスRPG ISBN 4-8291-4387-8
関連項目[編集]
注釈[編集]
- ↑ 本作以前に発売されたドラゴンハーフRPGは2d6システムのロゴマークがつけられているわけでないが、本作と非常に似たルールとなっている。これはドラゴンハーフRPGが、2d6システムと同じく「ソード・ワールドRPGと互換性のあるルールシステムでゲームを作る」というコンセプトで作成されたからである