ジョン・ヘイグ

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ジョン・ジョージ・ヘイグ(John George Haigh、1909年7月24日 - 1949年8月10日)とは、イギリスのシリアルキラー。9人を殺害し、自宅敷地内にあった工場に置かれていたドラム缶に硫酸を満たし、その中へ遺体をれて完全に溶解させることで完全犯罪を成立させようとした。

概要[編集]

1909年7月24日、イングランド・リンカンシャースタンフォードの生まれ。

ヘイグが39歳の時の1949年2月20日、ヘイグはロンドン市警をある老婦人と共に訪れ、同じホテルに宿泊している女性が帰ってこないと告げた。

老婦人は行方不明の女性と親しく、警察官へ「ヘイグが経営する付け爪工場の見学に行ったっきり帰ってこない」と訴えた一方、ヘイグは行方不明の女性に工場を案内する予定はあったが、会えなかったと主張。警察官がヘイグの言動に不審感を抱き、前歴調査を行ったところ、過去に詐欺・窃盗で3度も服役していたことが判明。直ちに工場の捜査に入った。

ヘイグの工場はサセックス州にあったが、実態としてはただの倉庫で、現場から38口径のピストル、実弾、ガスマスク、ゴム製エプロン、ゴム手袋、ゴム長靴、特殊なガラス瓶、ドラム缶、女性のバッグや靴などを発見する。後日、行方不明になった女性の宝飾品やコートを売り払っていた事実を警察は突き止めるが、ヘイグは


「確かに彼女を殺しました。しかし硫酸で溶かしてしまったので殺人事件として立件できません」


と笑顔で宣い、その他にも8人を同じ手口で処理したと告白。

その後も捜査に協力的で、犯行の一部始終を躊躇うこと無く全て話した。しかし彼は一点だけ間違いを犯していた。それは硫酸で人体を完全に消し去る事ができると思っていた点。ヘイグは遺留物を発見が困難な場所に投棄せず、自宅の庭に遺棄していたのだった。

これを知った警察は庭の土壌を徹底的に調べ、結果硫酸で溶かしきれなかった入れ歯、胆石、人骨などがごく僅かだが発見。発見された遺留物が行方不明になっていた女性のものと証明されたためにヘイグは逮捕され、裁判へとかけられた。

公判中、ヘイグは精神異常者を装ったが陪審員の全員一致で有罪の評決が出され、死刑判決が下された。

1949年8月10日、ワンズワース刑務所で絞首刑が執行。これにより刑死。