サミュエル・レイミー

サミュエル・エドワード・レイミー（Samuel Edward Ramey, 1942年3月28日 - ）は、アメリカのバス歌手。

カンザス州コルビー出身。少年時代は地元の聖歌隊に参加していたが、当初はオペラに興味を示さなかった。カンザス州立大学に進学したが、エツィオ・ピンツァの録音を聴いてオペラに興味を持つようになり、ウィチタ州立大学に転学してアーサー・ニューマンの許で声楽を学んだ。1968年に音楽学士号を取得後、１年間ノースカロライナ州ローリーのグラス・ルーツ・オペラ・カンパニーに所属。1969年にニューヨークに移住して声楽教師のアーメン・ボヤジアンの許で研鑽を積んだ。1972年にメトロポリタン歌劇場のオーディションで決勝まで残留したが、メトロポリタン歌劇場への出演は1982年になってからである。1973年にはニューヨーク・シティ・オペラに行き、ジョルジュ・ビゼーの《カルメン》の上演にスニガ役で出演。その年のうちにジョアキーノ・ロッシーニの《セヴィリヤの理髪師》のバルトロ役のような重要な役柄を任されるようになった。1975年にノーマン・トレイグルの死去に伴い、ニューヨーク・シティ・オペラでのトレイグルが得意としたシャルル・グノーの《ファウスト》のメフィストフェレス役やアリゴ・ボーイトの《メフィストフェレ》の表題役などをレパートリーに加えるようになった。1976年にイギリスのグラインドボーン音楽祭に初出演。1979年にはシカゴやサンフランシスコの歌劇場にも進出。1981年にはミラノ・スカラ座やウィーン国立歌劇場、1982年にはコヴェントガーデン王立歌劇場にも登場してオペラ歌手としての国際的な名声を確立した。