ゴルフボール

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ゴルフボールとは、ゴルフにおいて用いられるボールである。ゴルフは扱うボールを自由に選ぶことのできる少ない球技の一つであり、様々なメーカーからボールが販売されている。

規格[編集]

重さは1.620オンス(45.93グラム)以下、直径は1.680インチ(42.67ミリ)以上であることのほか、規定の条件下でボールを打った時の初速と総合飛距離が一定以下であるという「飛びの性能」が規定されている。その他にも対称性のチェックも行われ、回転軸を2種類変えて飛ばし、差が規定以内であることを要求している。これらの規格に適合した場合は適合球に認定され、公式競技で使用することができる公認球となる。なお、「飛びの性能」はこの認定時の飛距離であり、追い風の影響や筋力で飛距離を伸ばした場合に失格となることはない。

なお、これらの条件を満たした公認球ではない非公認球を公式協議で使用した場合、競技失格となる。

当然規格の改定が行われることもあり、2023年3月には全英ゴルフ協会(R&A)と全米ゴルフ協会(USGA)が「飛びの性能」にまつわる規則を改定する動きが見られている。この改定ではプロツアーなどのローカルルールとして提案されており、この規定に沿ったボールを売った場合、ロングヒッター[注 1]で平均飛距離にして14ヤードから15ヤードほど短くなるという。

構造[編集]

ゴルフボールは構造により二層構造のツーピースや三層構造のスリーピースに分類されている。中にはフォーピースと呼ばれるボールもある。 ツーピース構造の場合は中心のコアと外側のカバーからなっており、スリーピースはカバーとコアの間に中間層であるミッドを持つ。フォーピース構造の場合はスリーピースに加えてコアが二層構造になっている。現在のゴルフボールはコア材に樹脂ポリマーなどが用いられており、カバーはアイオノマーウレタンであることが多い。

一般的にコアが柔らかく、カバーが硬いボールをディスタンス系と呼び、スピンがかかりにくい代わりに曲がりにくく安定して飛ぶボールとなる。一方、コアが硬くカバーが柔らかいボールはスピン系と呼ばれ、スピンをかけやすくアプローチなどで有利な一方、スピンのコントロールが不慣れな初心者などは扱いが難しく上級者向けのボールとなっている。

ロストボール[編集]

ゴルフ場などで池に落ちて回収不能になったり、探しても見つからなかったボールはロストボールと言われ、ゴルフ場のメンテナンスの際に回収され、販売されることがほとんどである。ロストボールは球数も多く安価に売られているため、ボールをなくしやすい初心者向けとして販売されていることも多い。

ロストボールは本来プレーヤーが自分で使うために持ち込んだものであり、所有権に対する疑問が投げかけられることも多い。しかしロストボールの所有権については最高裁判所の判決が出ており、深夜にゴルフ場に侵入し、ウェットスーツ着用で池の中の大量のロストボールを回収した事例に対し窃盗罪の成立を認めている。その中でロストボールは「ミスショットをし、回収を諦めた時点で所有権が放棄されているとし、ゴルフ場の管理者が民法239条の無主物先占により取得する」か、「回収を諦めたボールはロストボールとしてゴルフ場に贈与し、ゴルフ場もこれに応じるという暗黙の了解があった」とし、ゴルフ場にボールの所有権が移っていることから販売に問題は無く、一方でゴルフ場管理者以外のロストボールの回収は窃盗罪に抵触する可能性が示唆されている[注 2]

ロストボールの多くは池から回収され、そのボールはロストボールとして店頭に並び、その多くは別のコースの池に落ちるという...

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 飛距離を出せる人のこと
  2. なお、正規の料金を支払ってプレーしているプレーヤーがたまたま見つけた少数のロストボールについては容認しているゴルフ場もあるのではないか、という最高裁判所の調査官の解説がある。転売目的や度を超えた回収でなければお目こぼしがあってもいいかもしれないが、そもそもゴルフは「紳士」のスポーツである