ゴルフ

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ゴルフ(Golf)とは球技の一種であり、ホールの決められた場所からボールを打ち、カップにいかに少ない打数で入れられるかを競う競技である。

概要[編集]

競技としてのゴルフは18のホールからなるコースで構成され、いかに少ない打数でコースを回るかを競う競技である。選手権ともなると3日間から4日間で行われ、トータルのスコアを競うものである。もっとも、最終日までプレーするには初日から2日目までの予選ラウンドにおいて決勝進出ラインを超える必要がある。このような打数の少なさを競う競技方式はストロークプレー方式とよばれるものである。古くは2人のプレイヤーがホールごとの打数を競うマッチプレー方式が主流であったといわれており、大会に参加するプレイヤーが多くなるにつれて現在主流のストローク方式が主流になっていったといわれている。

レジャーとしてのゴルフもプロの大会も基本的に審判はおらず、基本的にプレイヤー本人の自己申告によって成り立っている。これが「紳士淑女)のスポーツ」と呼ばれる所以である。なお、大会において個々のプレーの確認や規則違反かどうかを判断する審判員はいるが、基本的にはセルフジャッジである。

ルール[編集]

ゴルフの最も基本的な原則として、「あるがままに打つ」という原則がある。これは自然のものはたとえショットの障害物になったとしても動かしてはならないとされている。ペナルティとして有名なOBやウォーターハザードであるが、これは見方を変えれば救済の一つであり、ボールが紛失したり打てない状況になった場合でもペナルティを受けてプレーを続行できるというものである。状況により打ち直しや特定のポイントにドロップするという違いなどはあるが。

ゴルフの進行として、ティーイングエリアからティーショットを打ち、カップ[注 1]にボールを入れることでホールアウトとなる。打数の少なさを競う競技であるため、基本的にはカップのあるグリーンエリアに乗せるための最短となるフェアウェイを狙うが、カップやグリーンを狙いやすい位置にはたいていバンカーやラフ、またや池などが存在する。危険を冒して距離を稼ぐか、打数を増やしても安定をとるかはプレイヤー自身であり、それこそがゴルフの醍醐味と語るプレイヤーは少なくない。

グリーン上ではボールを飛ばすショットではなく、転がすパッティングによりカップを狙う。グリーン上は起伏や芝目などの影響でまっすぐ転がることは少なく、距離が長いほどその影響も大きいため、アプローチショットでいかにカップに寄せるかがスコアに直結するといっても過言ではない。コースによってはとんでもない起伏をもったグリーンもあり、ミスパットによってカップを外すどころかグリーンの外まで転がってしまうこともある。

各ホールには規定打数というものが定められており、この打数より少なければマイナス、多ければプラスとなっていく。規定打数でカップインすることはパー(Par)と呼ばれ、規定打数より1打少なくなるごとにバーディ(Birdie)、イーグル(Eagle)、アルバトロス(Albatross)、コンドル(Condor)となっていく。また、一打目でカップに入ることはホールインワン(Hole in one)と呼ばれる。逆に規定打数より1打多くなるごとにボギー、ダブルボギー、トリプルボギーとよばれる。

なお、レジャーとして楽しむプレイヤーの場合は1ホール当たりPar+4打程度が平均とされており、コース当たりにすると140台となる。おおよそのゴルフ場では1コース(18ホール)の規定打数が72となっていることが多く、打数100未満を達成すれば脱初級者と言えるとされている[注 2]。もっとも、100未満の達成には平均4年かかるといわれており、簡単に達成できるものではないと言われている。

使用する打具(ゴルフクラブ)やボール(ゴルフボール)にも規定があり、選手権大会においては反発係数や重さなどが細かく規定されていることもある。一方、それ以外の場合は飛距離が出る高反発クラブやボールが、また、始球式用のテープや煙が出るボールも存在している。

マナー[編集]

紳士(淑女)のスポーツとして多くのマナーが要求されることもあり、プレー中のドレスコードとして襟付きシャツやベルトを通せるボトムなどが要求されることもある。また、クラブハウス内ではジャケットの着用を求められることもある。

プレー中も他人のショットやパッティングの際は静かにする(観客も同様)、芝生に自らのプレーによって残ったボールマークやピッチマークは直してからプレーする、次のプレーに行くなどのマナーが要求される。他人に迷惑を掛けないことが最も基本的なマナーであるとされる。

日本[編集]

日本におけるゴルフの始まりは1901年の神戸とされている。六甲山に別荘を持つイギリス人が4ホールのコースを作り、徐々にホールを増やして本格的なコースとなっていったのが現在の神戸ゴルフ倶楽部である。一般にゴルフが広まるのは第二次世界大戦後であり、特に1957年に埼玉の霞が関で開催された世界大会で中村寅吉が優勝したことで第一次ゴルフブームに突入することになる。また、1966年に再度日本で開催された世界大会により第二次ブームに突入。第一次ブームから建設が進んだゴルフ場もや高度経済成長期も追い風となり、1980年にはゴルフ場建設が乱立しすぎて環境破壊であると指摘される声も多くなるほど普及が進んでいた。一方、ゴルフの負のイメージが多くついたのもこの時期であり、高すぎる会員権や前述の環境破壊、接待ゴルフなどはその筆頭である。

バブル崩壊後は経営破綻するゴルフ場も多く、2002年に2400以上あったコースは年々減少しており、2024年2月末時点で18ホールを備えるゴルフ場は2000コース余りとなっている。一方、これでも世界的にみればコース数は多いほうである。また、2020年あたりから再びゴルフ業界が再び活性化しており、比較的若いプレイヤーが増加しているといわれている。その要因として、ゴルフ場の低価格化や非会員(ビジター)でも利用できるコースや4人以下でラウンドできるゴルフ場の増加、接待ゴルフそのものが少なくなり、自発的にゴルフを始める純粋なプレイヤーの増加などが挙げられている。

なお、日本においてはセダン(特に高級セダン)の性能指標の一つに「ゴルフバッグがいくつ詰めるか」というものがある。これは前述の接待ゴルフにおける重要な指標の一つであったとされる。

関連項目[編集]

注釈[編集]

  1. 公認規則ではホールだが、コースのホールと混合しやすいためカップと表記する
  2. ここではゴルフ歴の浅い初心者とは別の初級者としている。100切り達成で脱初級者、90切り達成で脱中級者ともいわれ、72切り達成はプロレベルともいわれる